「子育て指南書 ウンコのおじさん」宮台真司他共著

 正直に言おう、ワタシは宮台真司が嫌いだった。嫌いだった理由はなんとなくなのだけど、笑。ホントのところ好き嫌いと言うほど宮台真司のこと知らない。おそらく佇まいとか物言いとか雰囲気とか、それともたまたま耳にした台詞が気に入らなかったのかもしれない。知らないのになんとなく嫌い、というは良くないな。反省しよう^^;。もっとも宮台のほうはボクなど意識どころか認識さえしてないだろうから、なんの支障もないのだけどね。宮台がもしボクを認識していれば、ただ喧嘩を売っているだけだな、爆!!
 じゃ、なんてそんな宮台を読んだかというと、この本を薦めているテキストをたまたま目にしたのと、たまたま読む本が切れたというタイミングだったという、たまたまが重なったから。
 で、読んでみたら、宮台のことをちょっと好きになった、というか、ちょっと自分と似てると思った。
 子どもと一緒にセミの脱皮を観るとか、近所の子どもにちょっかいかけるとか、基本的に子どもが好きなとこ、とか、笑。あれ、意外に面白いヤツかもしれないと再認識したわけ。というか、ワタシの好きな価値感に合致したというだけで、それが一般的に「いいヤツ」になるかというと別なんだけどね。それでも、まだ違和感は残っていて、そこが「嫌いだった」の原因かもしれないな。

 本としては面白く読めた。難解じゃなく読みやすいし。
 納得したり考えさせられたりする本だ。
 例えば「親の勘違い……」という項目でみてみよう。
 サブタイトルは「まともな〈妄想〉を身につける」。
 ざっくり言うと、

 子どもにすれば親はワケの解らない世界観を生きている。万人に共通の世界観ではなく、親個人の【妄想】に近い。性的潔癖症だったり学歴フェチだったり…。親はそんな【妄想】で子どもを抱え込む。子どもはそんな親の【妄想】に対する「適応」を迫られ、【適応】します。それは親への【適応】であって、社会への〈適応〉ではなく、有害である。そうなると社会はデタラメになる……

 というようなことが書かれている。もちろん〈妄想〉【妄想】/〈適応〉【適応】の区別はなく、このブログでワタシの価値判断でつけたことは言うまでもない。
 全体を読むとなるほど、そうだよね。と思う。もう少し突き詰めていくと、既読の「子は親を救うために「心の病」になる」(髙橋和巳著)を想起させる。子どもは親の【妄想】に【適応】した結果、親の【妄想】を気づかせるために「心の病」になる。と同じだと思う。性的潔癖症や学歴フェチという病で、子どもを抱え込むという病、二重の病で子どもを病にする。う〜む、と頷きながら納得する。
 ただね、この項目で宮台はタイトルの続きとして「子ども世代をいかにダメにしているのか」と書いていたり、結論で「そんなデタラメ社会は制度では治せなく、全ての親が私的【妄想】による子どもの【抱え込み】を辞めなければならない。」と書いているわけだ。
 「世代」とかね「(デタラメ)社会」とかね、括って語っているんだよなぁ。しかも「制度」で手直し(できない)、とか「抱え込みを辞めなければなりません」と指導してみたり、、、どうもこの辺りが、今ひとつ宮台を「好き」になれない理由かもしれない、とチラリと考えている。
 どう考えても「人」をグループで括れないのに、なんか線引をして括って語るっておかしくない?と思ってしまったり、偉そうに指導してあげます、ってさ、笑。
 まあ社会学者でセンセイであるわけだから仕方ないんだけどさ。
 社会なんて虚構だし、カオスだし、、、ワタシのこの「妄想」がどうしても宮台がしっくりこないところの原因かもしれない。とはいえ、まあ宮台の言いたいことも解るんだけどね。この本では、解るどころか、納得する部分が多い。
 法外でホントの仲間をつくろう、とか、近所の変なおじさんになろう、とか、子どもをコントロールしてはいけない、とか……同意します。ホントのホントのことを言えば、宮台のことは好きでも嫌いでもないんだけどさ、爆!!

 あ、そうそうこの本で、共著の尹雄大さんがコラムで「ピダハンの子ども」(アマゾンのなかの一部族)のことを書いてて面白かったメモ代わりに要約しておこっと。

 ピダハンは3歳で成人する。子育てで子どもに「こうしないさい」とは言わない。おそらくピダハンは3歳までに「自己実現」を果たす。あらゆる主体的行動に咎められることはなく、自己満足を得て、自己肯定感を味わい尽くす。その後の人生においては、他人に承認を求めることを主要なテーマにしない。

 もしかしてマズローでいうところの「自己実現欲求」を3歳にして到達しているのか? それに比べてワタシときたひには、、、、トホホ^^;
 他者の承認欲求が全てみたいな社会っていったい、、、
 

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