「ソマリア沖に派兵」…崇高な理想を深く自覚したい

 ソマリア沖の海賊から輸送船団を守るために自衛隊派遣する、したい、というニュースが聞こえてきた。ふと、このブログでも紹介した斎藤貴男の講演を思い出す。
 自衛隊を海外に派兵するのは企業からの要請なんだ。海外で横暴な搾取に怒る地元住民から工場を守るためなんだ、といった内容だったと思う。
 でも、ソマリア沖の海賊は国際法からみても違法であり、搾取でもなんでもなく、そこを通るだけで危険な目にあう日本船団を日本国が守るのは当然のことではないか、という声は聞こえそうだな。さらには日本船団だけではなく、違法な海賊船から外国船も守るべきである。世界の安全に寄与する日本であるために、こんな海外派兵を批判されるべきではない……、兵器をつかってくる無法者に兵器で撃退してでも安全を守るべきだ、っていわれると、納得しなければならないだろうか? それでも、納得できないこの気持はどこからくるのだ。

 目を閉じて遠くアフリカの地を思う。まったく知らない地の知らない人々、知らない歴史。調べているうにちにこん記事を目にした。

ソマリアの和平を壊す米軍の「戦場探し」

 この記事でソマリアの歴史をザクッと知る。ソマリア、その国の漁師が何故海賊になったのか? ならなければならなかったのか? イギリスとイタリアの支配のち内乱、争いと内紛の歴史……、そしてそやはり大国のエゴが……。やはり戦争利権を欲するアメリカはアフガン、イラクの次にソマリアで戦争を捏ち上げようとしたらしい。

そしてこれだ。

マスコミに載らない海外記事

「多くのヨーロッパ、アメリカ、そしてアジアの海運会社、とりわけスイスのAchairパートナーズとイタリアのプログレッソが、1990年代初期にソマリアの政治家や軍指導者達と投棄協定に署名した。これはつまり、彼等は沿岸を毒物の廃棄場として使えるというものだ。ソマリアが内戦へと落ち込むにつれ、この慣行が広まった。国連環境プログラムのニック・ナトールは、「ヨーロッパの企業は、これが廃棄物を処理するのに、極めて安価であることに気がついたのです」と言う。
2005年のクリスマスに、アジアの津波がアフリカ東海岸を襲った際、大スキャンダルが明らかになった。巨大な波がそうしたゴミをソマリア沖の海底から取り除いた後、何トンもの放射性廃棄物と有害な化学物質が、海岸に流れ寄せた。何万人ものソマリア人が、このカクテルに接触した後で病気になった。彼等は国連に苦情を申し立て、国連は調査を始めた。


 タメイキ。

 タメイキを飲み込みながら、思い出すのが、涙がでるほど崇高な例のあれである。……憲法前文である。

……人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない
のであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり……




 真に日本国憲法を有する崇高な日本人であるなら、
 ソマリアの国民も、恐怖と欠乏からのがれ平和のうちに生存する権利を有する。われらは、ソマリアの平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。のだ!! しかも、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚したうえである。

 人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚した名誉ある地位。それが、専制と隷従、圧迫と偏狭によって海賊にならざるを得なかったソマリアの漁師を撃破して、大国の船を守ることとはどうしても思えないのである。
 名誉ある地位を占めたいと思っている日本人が真にやらなければならないことは、そんな対処療法なのだろうか? それが崇高な理想を深く自覚した名誉なのか、それが日本人のプライドなのか? あまりに情けなくないか。
 「国家」なんか糞食らえ、と、つい言ってしまうが、もしほんとうに崇高な理想を深く自覚した名誉を追求する集団が国家ならば、もう一度考え直したい。
 崇高な理想を深く自覚した名誉を共に創造するのが日本人であるなら、私も日本人でありたいと思う。さらには、その名誉に奢ることのない感性があれば言う事はない。




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この記事へのコメント

2008年12月26日 18:53
dr.stonefly様
こんにちは。「ソマリア派遣:憲法上の疑義ない…小沢氏が一定の理解」と毎日jpにあります。オバマさんも、アフガンに最大3万人増派の考えとのことで、何となくアメリカが共和党だろうが民主党だろうが、日本が自民党だろうが、民主党だろうが、自衛隊の海外派兵が既定路線のような気がしなくもありませんが、先日お玉さんのブログの「戦争ってどうしておこるの?」シリーズで、なぜ戦争が起こるのか?どうしたら戦争が起こらないようにできるのか?考えたばかりでもあり、紛争において、戦わない解決策を模索してほしいなあと思います。
すぺーすのいど
2008年12月26日 21:07
憲法前文・・・我が家では居間に掲示しています。
プリンタで印刷したものですが・・・(^^ゞ

軍隊で守らなければいけないものはなんでしょうか?
軍隊を使ったり、その他様々な方法で弱者より略奪した富です。
略奪したものだから、相手が正論で抗議しても何も言い返せません。
だから「うるさい!だまれ(死ね)!バーン!」しかないのです。
「軍隊」とは黒いものを「白い」と強制的に言わせるためにのみ存在するのです。

最初から富を平等に共有してれば、争いにはなりませんから、軍隊は必要ないのです。
正論が通るのであれば、誰が暴力に訴えるでしょうか?
dr.stonefly
2008年12月29日 15:03
散策さん
どうも、自衛隊海外派兵、憲法(9条)改悪は、自民も民主も変わらない気がします。自民と民主で「再編」しても変わらないでしょう。
そういった意味では以前から懸念していますが、解散総選挙を憂いています。

戦わない解決策、……ずばり憲法前文の実践ですね。
大国ほど実践すべきです。
dr.stonefly
2008年12月29日 15:09
すぺーすのいど会長
学童ブログのほうはなかなか更新できずにすみません。

憲法前文が壁に、……すばらしい。
ほんと涙がでるほど崇高ですね。
すべての「国家」がこんな精神なら戦争にならないと思います。
いま「国家」は新自由主義的競争の単位になっています。いかに自国だけを富ませるか?貧相な精神ですね。
せめて日本は貧しくても崇高であればいいのに、と思います。
国内だけに限っても同じ事がいえるんですがね。

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