「雨宮処凛トークライブ」(1)…やさしい右翼、難解な左翼

 なんとなく赤と黒のタータンチェックを妄想していたのだが、緑のチェックで登場した雨宮処凛は長身だった。と、この際、服やら身長なんぞどうでもいいのだが、表情が非常に硬かったように感じたのはワタシだけかな? 各地でトークライブを開き、テレビなんかにも出ている彼女が、まさか名古屋のちっぽけな研修室程度で緊張して硬くなっていることもないだろう。どちらかというと、なんかこう冷めているっていうのか、下手したら怒っているとも見えた。まさか130人しか集まらなくて怒っているってことはないとは思うが……。
 ちょっと近くで見てみようと休憩時間にフロアで売っていた本「生きさせろ!難民化する若者たち」(雨宮処凛著)を買いサインなどをねだりに行く。接近遭遇するとナイフのように冷たい印象。ちょっとトークの内容について質問をしてみたが、無表情で短く答える彼女に無愛想というより、尖っているって感じだった。ただ、後半の「フロアとのディスカッション」で、フリーター(プレカリアート)の発言には、打って変わったような「満面の笑顔」になるという「表情のギャップ」がある意味すごかったな。もっとも、死ぬか生きるかのワーキングプアの話をしているところで、「サインをねだる」などというミーハーな行為をしていては冷たくされても仕方ないか(爆)。ただね、理由はそれだけじゃないと感じたわけだ、これについてはエントリーを変えて書くことにしよ。

画像

ねこちゃんだよ


 トークライブは質問形式で行われ、彼女は自己紹介をした。
 生まれながらのアトピーが原因でイジメにあい、何度もリストカットを繰り返したという。ずっと自分に責任があると思いこんでいたのだが、「戦後社会の教育が間違っていたのではないか」という論争が起きた時に、自分の生き苦しさも社会に原因があるのではないかと気づいた。「戦後社会の教育」を考えていくうちに戦争について知りたいと思ったそうだ。
 戦争をしるために見沢知廉に紹介された「左」と「右」という両極の集会へ行ったそうだ。
 彼女はいまでも「戦争」を知る為には「左」か「右」かの集会に頼らざる得ないと言ったが、そんなことはないでしょ(笑)。
 それにしても、いきなり見沢知廉と仲良かったってのもすごいとは思うがここでは置いておこう。さて、両セクトの集会へ行った彼女は、「左翼の集会は何を言っているのかさっぱり解らない、言葉が難し過ぎる。それに対して右翼は言っていることが理解できる。納得できた」と言い、右翼に傾倒することになった。
 あれれ、やさしい右翼、難解な左翼。……だってさ、ちょっと聞いた、左派、リベラルのブロガーの皆さん。左翼は言葉が難しくてよく解らないんだって。若年層のワーキングプアも含め右傾化する一因はここにもあるんじゃないかって考えてしまうよ。
 雨宮処凛によると、地下鉄サリン後オウムなんかを辞めた若者も右翼に流れる傾向にあるらしい。分かり易さが全てじゃないとは思うが、小難しい本ではなく、ゴー宣なんかの分かり易いマンガに埋没した若者が多かったことなんかも考えると、そう言う部分を否定しきれない。少なくとも原因の一つにはあるかもしれないね。
 ワタシは右派のブログにはいかないから比較はできないけど、確かに左派のブログは難しいとこもある。言葉も専門的なマニアックな言葉を好んだりさ。インテリゲンチャンが多いのかな。インテリが悪い事であろうはずもないし、勉強してないと難しい言葉も難しい理論も使えない。そうそう理論武装って言葉は左派の方が好きそうだな。いやね別にいいんだけど、ただ、白紙の若者が右傾化していく原因がそこだとすると、ブログでオルグ、じゃない、仲間を増やそうと思っているブロガーの皆さんは、ちょっと留意してもいいのかもしれないね。あ、他人事じゃないか、って「お前の場合はつまらんギャグを減らせ、き真面目な大人には相手にされないぞ」って言われそうだな(笑)。
 もっとも言葉や表現だけの問題じゃないかもしれないけど。右の方が単調でとりつきやすい部分は多そうだし。彼女の場合は「戦後教育が間違っていた」というところから覚醒したわけだしね。
 でも彼女が最初に右翼に傾倒したのは良かったかもしれないね。ほれ、左翼って同志に厳しいでしょ。自己批判しろ!! とか、総括しろ!!とか、妙に原則的だったりとか、ブログでもしかり、左派ブロガーには同じベクトルのはずのブロガーにもやたら攻撃的だったりする人がいるじゃない(笑)。それに対しウヨは同胞同志でつるんで舐め合っていそう。「家」重視みたいなのも関係してる分、敵(よそ者)には厳しそうだけど身内には優しそうだもんね。ホントのとこは知らないけど。
 イジメやワーキンブプアやリストカットで目一杯だった雨宮処凛が、もし最初に拠り所を求めて行ったのが左翼で、自己批判しろ、なんて言われ日には完全にアウトだっただろうからさ。右翼へいってリストカットもピタリとなくなったようだし。
 雨宮処凛曰く「リストカットの短期療法には右翼がお勧めです」ってさ。
 ただ、今は雨宮処凛は左派ですね。こういう運動するのは左翼って相場が決まっているしね。
 あ、初めて読む方が勘違いするといけないから言っておきますが、ワタシは左派難民です(爆)。









 
♪あの人はぁ~右翼ぅ
   わたしを虜にするぅ やさしい右翼
     イェイイェイグゥダンドゥドゥ♪ ふぅ




「雨宮処凛トークライブ」(番外)…彼女についての違和感
「雨宮処凛トークライブ」(3)…自己責任ってなんだ?
「雨宮処凛トークライブ」(2)…スラム化するのは渋谷と名古屋だ
「雨宮処凛トークライブ」(1)…やさしい右翼、難解な左翼
「雨宮処凛トークライブ」(0)…とりあえず赤木君の宣伝をば



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

愚樵
2007年11月29日 12:42
「やさしい右翼、難解な左翼」っていうのは私にはよくわかる気がします。右翼と左翼とでは、その出発点が違うように思うんです。

左翼の出発点は「個」です。社会の基本単位は「個」であって、社会は「個」のためにある。
でも右翼ではそれが逆さま。「個」は社会のために存在する。それが右翼。

ところでヒトという生き物は、生まれながらにして「個」というアイデンティティを確立しているわけではありません。さまざまな関係性のなかで徐々に「個」を確立していく。

あるヒトが左翼に行くか、右翼に行くか、その選択基準はそのヒトがそれまでにどれほど「個」としての自己を確立しているかに掛かっているのではないでしょうか?
愚樵
2007年11月29日 12:43
イジメに遭うという体験を持つ者は、「個」としての自己の確立を阻害され、左翼として出発するに足る自己を確立できていない場合が多い。そうした者には、確立された「個」を出発点として要求される左翼はハードルが高いのでしょう。

右翼は「個」よりもまず「連帯」です。このありようは「個」としての自己を確立できていないものには心地好いだろうし、逆にすでに確立している者には気持ち悪い(笑)。

雨宮さんの場合、まず「連帯」の右翼でいろいろな関係性をもち、そこで「個」としての自己を確立、然る後の左翼へ転向した、ということではないのでしょうか?
dr.stonefly
2007年11月29日 17:51
愚樵さん、こんにちは。
「個が集まった社会」か「社会のなかの個」か、ですかぁ、なるほど、納得。明快な解説ありがとうございます。いろいろなことがストンと落ちます。若年層の右傾化とか。
「個」の確立の阻害という弊害はいろいろな面で考えられそうですね。そのなかで「ワーキングプア」という経済的な自立の阻害が「個」の阻害に繋がるかどうか、ってのが赤木君ですね。右傾化せざる得ない状況ってのは左派の課題でもありそうですが。

左派は「個」が確立しているから厳しいわけですね。ただ、左派のなかには他人に厳しく、自分に甘いかたもみえるようですが……(笑)
KUMA0504
2007年11月30日 23:12
これは大変面白い指摘です。心したいと思います。
私自身は、難解な文章は出来るだけ避けたいと思っているのですが、どうなんでしょう。
基本的には、左翼よりは、映画ブロガー、旅、韓国ブロガーと意識的に連帯しているのですが、なぜか結果的には左翼的な「主婦」からたくさんのコメントを頂いています。‥‥‥これはいいことなのでしょうか。(^_^;)
dr.stonefly
2007年12月01日 04:48
KUMA5040さん、おはようございます。
>左翼的な「主婦」からたくさんのコメントを頂いています
ははは、空気でしょうねぇ(笑)。
映画、旅、の記事を書いても「空気」はけせない。無意識にかく単語(…連帯とか…)もそうかもしれません。
いずれにしても、コメントを頂けるのはいいことではないのでしょうか(笑)。
鐘楼の堕天使
2007年12月17日 12:08
>左翼の出発点は「個」です。

「右翼」も「左翼」も「組織」である以上、集団主義、全体主義の害毒から自由ではないのが現実です。「左翼」の出発点は「個」であると言われますが、内ゲバやテロ・リンチに明け暮れていた武装闘争時代の共産党や連合赤軍なかに、「個」を尊重する気風など無きに等しかったのではありませんか?「反革命」としてつるし上げられ、リンチの犠牲にされたのはいつも組織内の弱者ばかりではなかったのでしょうか。自分たちのやっていることが、野間宏の『真空地帯』等で描かれた旧軍内務班のイジメやリンチと同じであると認識していた者が、組織の中にどれだけいたでしょうか?

>左翼って同志に厳しいでしょ。

結局、自分が「お山の大将」としてイニシャチヴを取りたいのが「批判者」たちの本音ではないのでしょうか。内ゲバの害悪は電脳社会でも形を変えて現れていますね。

「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」
(カール・マルクス)
dr.stonefly
2007年12月18日 02:09
ワタシは、左派ですが、ちっぽけな市民運動団体以外、連赤はもちろんのこと共産党にも新左翼セクトにも属したことがありませんから、現実の内ゲバなど知りません。でも、「お山の大将」としてイニシアチブをとりたいというのは多少解ります。たしかに電脳の世界でもありそうですね。

歴史が二度目は喜劇となる場合は、周辺が一度目の歴史から学んでいる場合ではないでしょうか?
多数が一度目と同じメンタリティの場合、二度目も悲劇です。
革命21事務局
2008年10月10日 16:32
はじめまして。貴ブログへの突然の書き込みの非礼をお許しください。「運動型新党・革命21」準備会の事務局です。
 この度、私たちは「運動型新党・革命21」の準備会をスタートさせました。
 この目的は、アメリカを中心とする世界の戦争と経済崩壊、そして日本の自公政権による軍事強化政策と福祉・労働者切り捨て政策などに抗し、新しい政治潮流・集団を創りだしたいと願ってのことです。私たちは、この数十年の左翼間対立の原因を検証し「運動型新党」を多様な意見・異論が共存し、さまざまなグループ・政治集団が協同できるネットワーク型の「運動型の党」として推進していきたく思っています。
(既存の中央集権主義に替わる民主自治制を組織原理とする運動型党[構成員主権・民主自治制・ラジカル民主主義・公開制]の4原則の組織原理。)
 この呼びかけは、日本の労働運動の再興・再建を願う、関西生コン・関西管理職ユニオンなどの労働者有志が軸に担っています。ぜひともこの歴史的試みにご賛同・ご参加いただきたく、お願いする次第です。なお「運動型新党準備会・呼びかけ」全文は、当サイトでご覧になれます。rev@com21.jp

この記事へのトラックバック

  • 【映画鑑賞】「日本の青空」見てきました

    Excerpt: 良かったです。見られるときに見ないと、見逃しちゃいますものね。ということで見てきました。 以下感想。(ネタばれあり) Weblog: 散策 racked: 2007-11-29 21:35
  • 左派難民の救援活動

    Excerpt:  dr.stoneflyあにさんのエントリーに、「やさしい右翼、難解な左翼」という一節があって、こういうお話は当ブログの営業費目だと思いました。 http://dr-stonefly.at.webr.. Weblog: みんななかよく racked: 2007-11-30 16:28
  • みんな平等に、貧乏になろう!

    Excerpt: 生活保護の減額容認 厚労省検討会「低所得世帯上回る」(朝日新聞) 生活保護の支給基準の見直しを行う厚生労働省の検討会の報告書案が29日、明らかになった。低所得世帯の消費支出に比べ、生活保護世帯が受け.. Weblog: かめ? racked: 2007-11-30 22:43
  • 丸山眞男の右翼観から新右翼は始まった

    Excerpt: 6月11日に行われた一水会フォーラムは、結成35周年を迎えた一水会を振り返る鈴木邦男さんの講演『一水会35年と今後の使命』でした。 俺は夜勤で行けなかったのですが、レコンキスタ7月号に講演の記事が掲.. Weblog: 反米嫌日戦線「狼」(アカにサヨおなら) racked: 2007-12-02 21:34
  • 笹島市民フォーラム2007、雨宮処凛さん(JANJAN)

    Excerpt: 笹島市民フォーラム2007、雨宮処凛さん(JANJAN) http://www.news.janjan.jp/area/0712/0712016520/1.php  笹島診療所の市民フォーラム200.. Weblog: 貧乏人集まれ・名古屋行動のページ racked: 2007-12-11 23:36
  • 笹島市民フォーラム2007、雨宮処凛さん(JANJAN)

    Excerpt: 笹島市民フォーラム2007、雨宮処凛さん(JANJAN) http://www.news.janjan.jp/area/0712/0712016520/1.php  笹島診療所の市民フォーラム200.. Weblog: 貧乏人集まれ・名古屋行動のページ racked: 2007-12-11 23:36