「2007年追悼集会」…ワタシ自身の冷酷さを確認する

 2007年8月14日。少し悩んだが今年も追悼集会へいくことにした。
 この社会により野宿を強いられ路上で亡くなられた方を追悼する、いつまでもなくなることのない集会。
 年間を通じて野宿者支援などなにもしていないワタシにとっては、追悼集会だけに参加するのは、アリバイ的な気がして行くか行かないのか悩むのだが、ワタシのなかに「そこ」と繋がっていたいという気持ちがあるのかもしれない。いや間違いなくそこと繋がっていなければならない、とワタシを揺り動かすものがある。何故だかわからない。もしかしたら、それはワタシ自身の「生」なのかもしれない。「死」を知り「生」を考える。「社会」を知り「生」を考える。
 考えろ!! と、ワタシの内なるものが言う。

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 ワタシ自身の「生」ため以外にできることがあるとすれば、こんな「死」と「生」と「社会」があることをブログを通して知ってもらうことだけかもしれない。
 今年も笹島診療所より、この一年で亡くなられた方(把握分のみ)の報告があった。

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○8月15日 Yさん 62歳 日雇労働者 ガンで死亡
○8月16日 ?さん 62歳 堀川 変死 自殺の可能性が高い?
○11月6日 Mさん 三重出身 63歳 地下鉄F駅の近く、強盗に首を絞められ死亡。通行人が119番通報したが、病院に運ばれたときは既に死亡。
○11月20日 Hさん(女性)岐阜出身 69歳 岡崎の河川敷で少年達の襲撃により亡くなられる。
○12月14日 Nさん 福岡出身 75歳 
○1月 Oさん(女性)高齢 W公園(都市高速の下)で病死。
○3月6日 Tさん 54歳 T交差点から救急搬送されたが翌日死亡。
○3月18日 Tさん  鶴舞公園で首をつり自殺。
○3月13日 ?さん 東京出身 60-64歳くらい 名古屋駅のビルとビルの間の段ボールの箱のなかで血を流して亡くなられていた。自殺?
○3月7日 小幡緑地公園で野宿されていた方の死が発見される。衰弱死。
○4月13日 Wさん 72歳 搬送先の病院にて死亡。
○5月 鶴舞駅のコンビニで亡くなられた。
○7月20日 Iさん もちのき広場で野宿、くも膜下出血で亡くなられた。
○7月31日 Aさん 地下鉄T駅構内で死亡。7月30日に退院その日に自殺。
○8月2日 境大橋の下で火傷で亡くなられる。おそらくそこで野宿を強いられていた方だろう。
……


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 「路上の死」は、ワタシが生活している街、どこか遠い世界ではない、まさにワタシを含め多く人が行き来している街での「死」であることを知らなければならない。お茶の間のテレビにうつる戦争の犠牲者や難民の死ではないのだ。まさに生活のなかにある「死」なのだ。だからこそ真摯に「路上の死」に至った「生」を考え、「路上に死」に至った「社会」を考えなければならない。また、その「社会」をつくる自分を考える。目を背けてはいけないのではないか?

 と、取り敢えず優等生的な訴えをしておいて……

 こういう言い方をすると、反運動的で支援運動をしている人々からの反撥があるかもしれないが、実はなんとなく、こうした「路上の死」はなくならない気がしている。
 「路上の死」は、最近はじまったことではない。コイズミとかアベとかの格差推進政策、自己責任論の犠牲者とも言えない気がする。それよりもずっと以前から「路上の死」はあり、途切れることがない。政策や時代ではない気がしている。こうした死はなくなることはないのかな……。
 格差政策の犠牲者よりもさらに底にある社会がもつ原罪みたいのものを感じてしまう。
 社会を構成する全ての人間のもつ冷酷さ・弱さの吹きだまり……。
 誰もが持つ、冷酷さ・弱さ……
 隠そうとしても隠しきれない、冷酷さ

 今年もまたワタシ自身の「冷酷さ・弱さ」を確認した。


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この記事へのコメント

愚樵
2007年08月15日 12:09
人間には冷酷さもあれば、同時に優しさもありますよね。人間はどういったときに冷酷になり、どういったときに優しくなれるのでしょう?
現在では、こういった違いの原因の多くを個人の資質に求めます。dr.stoneflyさんもそのようです。そして、それが間違いというわけではないでしょう。
けれど、それだけでしょうか? 人間は置かれた状況で冷酷にもなれば優しくもなる。人間とはそうした存在ではないかと思うのです。
個人にとって、状況とは社会です。となれば、人間は社会の状況如何で冷酷になりがちになったり優しく出来るようになったりする。人間の持つ現在を全く無くしてしまうことは不可能かもしれませんが、抑制するように社会を作ることはできる。私はそんなふうに思いたいのです。
dr.stonefly
2007年08月16日 03:58
もちろんこの集会で「優しさ」は目一杯、感じることはできました。
今のワタシは能天気に生きているからでしょうか?
それともワタシがそういう風に考えるようになったからでしょうか?
優しさは確認できても「冷酷さ」はなかなか確認できない。特にワタシ自身のなかにある「冷酷さ」はそれを見ないようにするためか、ほとんど確認することができない。 そも「冷酷さ」と表現してしまったが、それが何かを実感することさえできない。 もっと根源的なもの。決して完璧になれない個々の業みたいなものなのだろうか? どこまで考えても最後の最後の最後の最後には「私」のことしか考えられない業。
「私」の集まりである「社会」のほんのひと掴みの業の吹きだまり。業の寄せ場。 それが現実となって現れる非業の死、、、、

追記
今年の野宿を強要されたうえに死に至った死因は「自殺」が多いなぁ、というのが印象です。 今迄は非業の死は多かったが、「自殺」はあまり無かった気がします。 何故かはわかりません。
愚樵
2007年08月16日 04:26
「冷酷さ」とは、スキップしてしまうことではないでしょうか? つまり存在を認めないということ。意識的にではありません。無意識にです。意識的だと、それを忘れようとする意識が働くので「冷酷さ」を確認できますが、無意識でスキップしてしまう場合は、確認のしようがない。
ところが、この「スキップ」こそ、人間知性の特徴なんです。知性を磨けばスキップの幅が小さくなるので、見逃すことは少なくなっていきますが、知性を磨かないまま、大きな歩幅でどんどんスキップしていく。「知の暴走」はそこから始まるのだと思います。
下等遊民
2007年08月16日 10:56
 >TBありがとうございました。

 まずはこれまでに無念の死を遂げられた野宿者の方々の御冥福を祈らせて頂きます。

 > 格差政策の犠牲者よりもさらに底にある社会がもつ原罪みたいのもの
 

 私自身も含めて、社会の構成員一人一人が無意識裡に抱え込んでしまっている差別意識、悪意、冷酷さ、弱さ・・・・個々人の中のそれらは確かに微量なものかも知れない、しかしその微量なものが社会という単位で蓄積されていった時、それは社会がもつ原罪という恐るべき怪物に姿を変えるのかも知れない、であるなら襲撃者というも結局はこの恐るべき怪物の単なる集約的表現に過ぎないのかも知れない。貴エントリーを拝読しながらついそんな思いに駆られてしまいました。格差政策を糾弾すべきは当然であるとしても、かつて福田恒存が言ったように、政治が救済しようとするのはあくまでも100人の中の99人であって100人全てではない。もしかしたら文学や哲学の衰退も社会がもつ原罪という怪物をいたずらに肥大させている一因なのかも知れません。
kuroneko
2007年08月16日 17:55
あー、シーリアスなお話に暇ネタTBつけてすいません。

なんかね。この世の中の悲惨を解決しようと言う時に、弱者を強制収用して消毒して、というようなやり方ではダメだと思うけど、現実に事態が急迫しているときに、ほとんどの人が振り向かないというのも無残な話だし。

政治で割り切れないなら中世の遊行・乞食みたいのはできないかな。宗教ってこういうときに何の役にも立たないのかな。檀那寺仏教、葬式仏教になっちゃったから。
dr.stonefly
2007年08月17日 07:41
愚樵さん、おはようございます。
>冷酷さは無意識にスキップしてしまう
ほんとにそうですね。ワタシの追悼集会参加への強迫観念も、スキップしてはいけない、という意識化のためかもしれません。ただ、追悼集会で激しく感じるものは「知」ではなく「情」です。……あれあれあれ、どっかで読んだキーワードだなぁ。よく解らなかった貴エントリーをもう一度読みなおしてみます。
dr.stonefly
2007年08月17日 07:42
下等遊民さん、コメントありがとう。
今回ワタシが言いたかったのはまさに下等遊民さんが補足してくれたことです。どこに解決はかるのかまでは考えつきませんでした。恐らく解決できないことでしょう。
「哲学」「文学」とは、底の底の底の人間の業を追求するものかもしれません。その衰退は時代が関係あるのかなぁ。この一年で自殺した野宿を強いられた方々の「生」はなんだったんだろう、とやはり考えてしまいます。
ところで、今年の追悼集会には、山岡さん、佐藤さん、デカパンさん、川瀬さんの写真が掲示されました。山岡さん、佐藤さん、の写真は一番したのものです。もしよろしければクリックで拡大してみてください。
dr.stonefly
2007年08月17日 07:42
kuroneko兄さん、おはようございます。コメント、TBがなかなかできず不義理していてすみません。gege師匠1000エントリーのTBは感謝ですよん。祝です。
いつだったか有史以来、いわゆる「ホームレス」がなくなった時代は無かったと聞いたことがあります。おそらくどこの国でも同じでしょう。「ホームレス」が排出される要因は、時代、時代の要因があると思いますが、要因以下の根底にあるものを感じてしまいますね。
>中世の遊行・乞食  というのは、不勉強でよく知りませんが、下等遊民さんがいう「哲学」、兄さんがいう「宗教」が必要とするなら、この社会や時代の要因以下の部分のような気もします。
非戦
2007年08月17日 12:02
ホームレスの方の亡くなった方の数字ではなくお名前、お名前だけでなく写真を拝見すると、会ったこともない人でも一人の人生が断ち切られてしまった悲しみと悔しさを感じます。クーラーのある部屋で、電気の通らないイラクの人たち、野宿生活をしている人人のことが、本当に分かるのか、と自分の頭を叩きたい気分です。
また、死因にも驚きました。
殺された、というのも多いですね。
見てみぬふりをする、他人を自分と同じ感情を持った人だと思わない人が多いのでしょうか。もちろん、根本的な問題もあるでしょう。といっても、行政が、原因を探って、対策をこうじても、ホームレス状態から抜け出ることができないかもしれないし、私には、とても難しい課題を突きつけら気がします。
dr.stonefly
2007年08月18日 15:19
非戦さん、すみません。説明不足でした。
一番下の顔写真は、山岡さん、佐藤さんといって東京山谷で金町一家(山谷利権を仕切ろうとするヤクザ)との闘いで殺された活動家です。寄せ場のドキュメントである「山谷やられたらやりかえせ」という映画を撮影中に殺されました。
毎年8月の追悼集会では、一年でなくなられた方々の死を悼みつつ、また山岡、佐藤、デカパンの死を忘れずに確認しつつ社会との矛盾と闘うことを誓う集会となっています。
dr.stonefly
2007年08月18日 15:20
追記
写真をクリックして拡大してみてください。
説明文が読めると思います。
1年間でなくなられた方の名まえ、写真は伏せられています。
非戦
2007年08月18日 19:32
dr.stoneflyさん、
写真をアップして見ました。説明が書いてありました。何も知らない私に教えてくださって有難うございます。
>山岡、佐藤、デカパンの死を忘れずに確認しつつ社会との矛盾と闘うことを誓う集会
そうなんですね。
身体を張って闘ってくれた尊い人たちなのですね。

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