「障害者自立支援法」のなかで、発達障害の子どもたちは……

 昔は「親のしつけが悪い」といわれていた「発達障がい」の子どもは、本によると4-6%ぐらいの割合で生まれるとされている。へ~多いんだ、となんとなく思う。症状によって「学習障がい」(LD)とされたり、「注意欠陥多動障がい」(ADHD)とされたり、「アスペルガー症候群」とされたり、「広範性発達障がい」とされたりして、2-3歳ぐらいの「発達段階」から診察可能となり、専門家よって「発達障がい」の疑いと診断される。今のところ原因は不明で予防法はないらしい。さらには、治療法も解ってない。4-6%の割合でいるということは決して特別ということではなく、学校なんかでも20人のクラスで1人ということになり、割合だけで言えば、ちょうど20人学級の息子のクラスにもいるかもしれない。

 もう1年半もまえ、保育園の頃のことだが、B君が「広範性発達障がい」と診断された。B君とは縁があって生まれて間もないころから知っている。B君を見ていて、3歳のころ「ちょっと変わっているかな」と思っていたが、素人のワタシに「発達障がい」なんてわかりはしない。B君はとても「我」が強かったり、「3歳にしては人の話しを聞いてないな」と思えることがあったりしたのだ。もっともワタシを知る人は、「我が強く、人の話しを聞いてないのは、あんたと一緒じゃん」と言うかもしれないが、B君は大人が叱っていても「ニコニヤ」を笑って「聞いていないどころか、大人を小馬鹿にしている」ように見えたりするのが、ワタシとは違うのだ。え、なになに「あんたも、ニヤニヤ笑って人を小馬鹿にしているようにみえる」って? ふん、ワタシの場合はあまりにもお馬鹿な意見は聞く耳をもたず、「ニヤニヤ」と笑っているのは、嫌な奴に意図的に小馬鹿にしているわけで、B君とは根本的に違うんだい。

 そんななか保育園で「発表会」があったときのことだ。B君たちの3歳児クラスの発表は「合唱」。「合唱」といっても3歳児なので「合唱」にならない。子どもたちが好きなように歌う。もちろん歌わない子もいるし、ほか事をする子もいる。泣いてた子もいたかもしれない。当時4歳クラスだったワタシの子どもは、こうした親参加型の発表会の時は、母親の元へ飛んで来て膝の上に座りクラスの子どもたちが演ずるのを眺めていて、一緒にやろうとしなかった。「4歳にもなって」だ。そんなことが1年あまり続いていて、とてもブルースだったのさ。ワタシはこんな息子に対するイライラをなんとか押さえていたが、怒りと不安と諦めをナベにいれて煮込んでいる感じだった。しかし、B君は違っていた。舞台の中央で物怖じすることなく、堂々と大きな声で歌っていたのだ。「B君、できるんだ」という驚きと喜びがあった。もちろん「自分の子ができない」ということ「B君が発達障がい」と診断されたこと等が根底にあり、オーバーにB君の父に話した。「B君、誰よりも大きな声で堂々と歌えていたね~」。気休めじゃなく事実だったし、できるんだね、という気持ちから言ったのだが、彼から返ってきた言葉は「この子には『はずかしい』という感情がないんです」だった。つまり、「広範性発達障がい」により、本来獲得すべき「はずかしいという発達段階」が欠落している、よって「他の子のように、はずかしがらず」に大きな声で堂々と歌を歌うことができる、ということだった。その言葉は久々のハンマー。フルスイングのハンマーは私の後頭部を水平に激打した。いきおいで眼球は30cmほど飛び出し、2-3回バウンドしながらストップモーションでもとの鞘に収まることになる。はっきり言ってショックだった。無知な自分を激しく恥ずかいと思った。

 ワタシの無知を気遣った医療従事者である連れ合いが、職場で小児科医と話す機会があり「発達障がい」について教えて欲しいと言った。その小児科医は「難しすぎて解らない」と答えたそうだ。医学上の領域では精神科の範疇になるのかもしれないが、臨床で出会う可能性が高く、勉強もしているだろう小児科医が「難しい」と答えたことに「深い」ものを感じる。最近、研究も進んでいるようだが、まだまだ不明なことが多いのかもしれない。そういえば、10年程前にLDの子どもを持つ親がLDを世間に認知させようと努力する経過を、紹介する本を読んだ覚えがある。たった10年前にだ。

 最近、高校の現役教師の社会的な講演会をきく機会があったのだが、講演のなかでLDやADHDの子どもを「社会的問題児」として扱っていて、あっけにとられた。小心者のワタシでもチョットまずいと思い質疑の時間に指摘してやったのだが、逆に食ってかかられちまったわけだ。この講演は「731部隊」がテーマの非常に社会色の強いもので、それを語る講師でさえこの有様だったことを考えると現実にどれだけの教師や保育士が認識しているか滅茶苦茶不安になる。

 しかもだよ、「障害者自立支援法」が施行された今、明らかに認知度の低い「発達障がい」の子どもたちはどうなるのだろう。この驚異の悪法は、社会保障が生死をわける障がい者にだな、「一緒に健常者と暮らしたいなら、金払え!! それが平等だっていってんだろ!!」どころか、「金がないなら、死ねよ。健常者があってのおまえら障がい者なんだからな!!」と言ってはばからないのだ。はっきり言って、こんな悪法を成立させるコイズミを支持する奴のが多い「アホ社会」なのだよ。比較すると発達障がいは認知度が低いだろう。へたすると「障がい」ということも認識されずに、未だに「しつけが悪い」と言うやつはいるだろう。そんな「アホ社会」のなかで発達障がい児は保育園でも小学校でも健常児と同じクラスに編入される。もちろん編入されること自体が問題というのではない、ワタシはむしろ編入されて当然と思っているのだが、こんな「アホ社会」のなかで発達障がいの子どもたちが教室で、実際に受ける待遇を想像するとだな、非常に不安になるわけだ。

 今、学校や保育園などで教師や保育士に「発達障がい」を「認知」させ、それぞれにあった「教育」や「保育」を指導する本がでているが、先の高校教師の例もあり、どれだけの教師や保育士が意識を持って取り組んでいるか疑問である。プロである「教師」や「保育士」はアホ社会に同化することなく、発達障がい児の教育に対し積極的に取り組まなければ、と思うのだが…。今年ワタシの子が小学校に入学した。小学校に「発達障がいの子ども」に正面から対応できる意識(システム)があるのかみていくとするか……。

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この記事へのコメント

life_is_beautiful
2006年05月29日 21:33
 障害のある方々の昨今の状況や施策について、掘り下げて頂ければ幸いです。不要の際は削除して下さい。発達障害のある方々へのライフステージを通じた支援の必要性を明記した『発達障害者支援法』が施行されましたが、理念法に止まっています。

〇発達障害者支援法(日本自閉症協会HPより)
http://www.autism.or.jp/hs-sienhou05/20041125hattatusyougaisyasiennhou.htm
life_is_beautiful
2006年05月29日 21:34
〇日本障害者協議会(JD) http://www.jdnet.gr.jp/
〇きょうされんhttp://www.kyosaren.or.jp/index.html
〇7・5緊急大行動記念掲示板
http://6022.teacup.com/75forum/bbs
〇日本自閉症協会
http://www.autism.or.jp/
〇全国LD親の会(JPALD)
http://www.normanet.ne.jp/~zenkokld/
〇NPO法人大人のADD&ADHDの会
http://www.adhd.jp/toha.html

 発達障害の規定自体が曖昧な為、医療機関と福祉機関でも相容れていません。福祉サイドから紹介させて頂きました。
dr.stonefly
2006年05月29日 22:38
ありがとうございます。こうしたサイトの紹介は歓迎です。
本日5/29(月)から4日間にわたり夜8:00よりNHKで「発達障碍」の特集を放映してます。少しづつ勉強したいと思っています。また、情報がありましたら宜しくお願いします。

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