毒多の戯れ言

アクセスカウンタ

zoom RSS 「SIDS? 子どもが殺される」…そしてどう生きるか

<<   作成日時 : 2007/07/15 03:44   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 7 / コメント 13

 人は過去にいろいろな経験をして今生きている。と、しみじみと思うことが最近あった。
 この人がこんな経験をしてたんだぁ、とふとしたことで知ると、それだけで感慨に深けたりしてしまう。
 例えばこのブログでもよく話題にするが、「障害児の親」が生活での苦労や不安、冷たくくだらぬ世間の目etc.を乗りこえ明るく生活している姿を見ると、その明るさに至る道程を想像し無条件に尊敬してしまう。ワタシなどが到底想像できないほどの「何か」を乗り越えてきた親を見るにあたり、ああこの人には敵わない、と尊敬の眼差しをむけてしまうわけだ。ただ、尊敬の眼差しをむけてしまう原因のひとつに「障害児・者」に厳しい社会という現状があり、そんな社会をつくる一人という恥の心理、または尊敬の目を向けること自体差別心かも知れないと思う心理からか、周囲にいる明るい障害児の親には、つい「軽口」を叩いてしまうのだが……。本当は尊敬してるんですよ、などとここで言ってみても始まらないな(笑)。

 障害児の親であれば、安易かもしれないが今の姿をみて過去を想像することができる。
 でも、その人はそうではなかった。子どもを殺された(かもしれぬ)過去など聞かなければ解るはずもなかった。ずっと知らなかったのだが、最近知ることになる。
 子どもを育てた経験のある親であれば聞いた事があるかもしれないのだが、SIDS(乳幼児突然死症候群)という病気?がある。健康で元気だった乳児が突然死ぬという、病気かどうかも解らない「症候群」である。それは確かにある……、らしいのだが、原因不明で実際には死因として判断しようがないらしい。自宅で自分で育児をしている最中の子どもがSIDSに襲われ死ぬのであれば納得もするのだろうが、でもその死が営利企業の運営する無認可保育園であれば、どうであろうか? 
 保育に預けた仕事中、突然子どもの死を告げる電話がかかってきたとしたら……。
 利潤追求で劣悪な職場環境、しかも全国に展開するその企業の保育所では20人もの子どもが保育中に死亡しており、その全ての死因がSIDSとされている。※なかにはSIDSで死んだ子どももいるかもしれない。しかし利益追求のなかで保育士の目が行き届かない保育環境に置いて、全ての死因が「原因不明」をいいことにSIDSのせいにしているのではないか、という疑問は当然のものとしてあるはずだ。現に「うつぶせ寝の長時間放置」や「長時間目を離された原因による窒息事故」が問題になっている。(http://www.kinet.or.jp/hoiku/data01/0723moushiire.html) (※この部分は7/15 16:00に追記です)

 彼女は子どもの死から数年後、その企業園の20人もの子どもが死と劣悪な保育環境の実態を知ることになるのだが、現実を知ることで悲しみと怒りに時を経て再度襲われたことを想像すると居たたまれない。
 子どもが保育園在籍中にそれなりに勉強した今アドバイスを求められれば、ち○っ○園などの無認可営利企業園など絶対いかせるな、と言えるのが、保育園入園以前は保育事情などまったく知らず、ワタシ自身の子どもが待機児になる可能性があった時そうした企業園も候補にいれていた。
 彼女が営利無認可保育園に預けたことをワタシには責めることはできない。それが、ワタシであったかもしれないのだから。
 ワタシが今、「保育園民営化」特に企業園に反対するのもこうした理由もある。営利と保育は絶対に相容れないのだ。人命より利潤追求はいたる企業でみられるが、子どもの命まで金(経済)の犠牲になることが許されるはずがない。(これが今回のエントリーのテーマではなく、またこれを語りだすと本当に長くなるので、興味がある方は過去の記事を読んで欲しい。)

 ワタシは彼女の「子どもの死」を知り「殺された」と思った。ワタシならば復讐の鬼と化し、徹底的に糾弾し、犯人に「死刑」になれと、マスコミを使って、テレビカメラに向かって、言葉の限り訴えるかもしれない。今なら、そうすることでワタシ自身が「死」んでいることに気づくかもしれないが、以前のメンタリティで実際に子どもが殺されればどうなるかのど、想像できない。
 ところが、彼女は人災と表現したのだ。彼女はワタシなんぞには想像できない「何か」を乗り越えたのだろう。「保育の格差」という問題をできる場所で彼女なりのやり方でこだわり、闘ってきたのだ。そうした彼女の頑張りも最近知ることになるのだが、今の彼女は明らかに「生きている」と感じる。不幸にも体が「死」に至った子どもの心に生かされているのかもしれない。いや「体」と「心」で言えば、既に体を失い、ただ自分で「表現」できないだけの子ども自身が彼女とともに生きて表現しているのかもしれない。もし彼女が「保育の格差」とは違った問題を考え、行動するようになっても、それも体を失った子の新しい表現かもしれない。
 こうしたことが「ボクたち」は生きている、というのかもしれないな。
 もし彼女がテレビカメラに向かい、復讐の権化となっていれば、周囲に悲しみと怒りと同情しか与えられないだろう。そして表現の方法を失った子どもも決して生きることはないだろう。
 しかし彼女と体を失った子どもは違った。あきらかに生きているのだ。
 こうした彼女たちの生きかたは、周りの者に勇気を与え、喜びを与える。
 ワタシは勇気を分けてもらった事に感謝している。
 今度あったら「ありがとう」と言おうかな。
 いやいや、多分いつものように軽口を叩いているだけだろう(爆)。
 
 

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(7件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
安倍政権の「レジーム・チェンジ」は、時代に逆行。
7月としては、観測史上最強の台風のため、選挙戦も「水入り」と言ったところですが、この機会に、安倍首相が唱える、「美しい国」=「戦後レジームからの脱却」について、異論を唱えさせていただきます。 そもそも、「美しい国」論は、本人自身が具体的に説明できず、一体.. ...続きを見る
平和のために小さな声を集めよう
2007/07/15 14:56
コメントに代えて
当エントリーは、dr.stonefly さんのエントリー『「SIDS? 子どもが殺される」&hellip;そしてどう生きるか』へのコメントに代えてアップするものです。続きをクリックされる方は、その前にdr.stoneflyのところへどうぞ& ...続きを見る
愚樵空論
2007/07/15 19:35
ビンボー脱出への道。
ちっとも給料上がんないし、税金ばっかり高くなる。 ゲ、今月家賃キツイぞ。マジヤベーよ。 (TT)うええん、苦しいよー。誰か助けてええー。 「PCの前に座るだけでお金がガッポガッポ」 オークションなんかで入会金を払っても、 使えもしねー、幼稚なアプリが送られてくるだ.. ...続きを見る
Saudadeな日々
2007/07/16 00:21
安倍なんか来たら,不安が増大する(笑)
首相、現地視察へ 「不安払いたい」と語る 中越沖地震(朝日新聞) - goo ニュースについて. ...続きを見る
Die Weblogtagesschau...
2007/07/16 17:01
貨幣や共同体についてあれこれ 前編
「市場を司るものは神になる」のつづき です。 ...続きを見る
晴耕雨読
2007/07/16 22:25
3K−介護職の待遇劣化
 前週のエントリーで、「円安」問題を書いた。そして「売るに売れない外貨の山」(日本経済新聞7月9日付け朝刊)で、「九千億ドル(百十兆円)を越す日本の外貨準備」を示している。  一方で外貨というお金が大量に眠っていて、他方で予算を削られる福祉分野がある。 コムスンによる不正問題が出て、介護ビジネスで働く人たちの待遇劣化が背後に隠されてしまう可能性を恐れる。コムスンの不正行為は庶民の保険や税金の搾取だけではなく、現場で働く人たちの労賃搾取の二面がある。しかし、コムスンの折口雅博会長がテレビに映し出さ... ...続きを見る
関係性
2007/07/17 15:11
私が見聞きした、地方の選挙の実態。 私が見聞きした、地方の選挙の実態。
記事の前に、ネットビラをご覧ください。 &amp;nbsp;http://abehaiboku.seesaa.net/ 「安倍政権は何をしてきたか」 閣僚らの言行録 &amp;nbsp;http://senkyo1.seesaa.net/ 「選挙に行こうよ」 &amp;nbsp;http://senkyo2.seesaa.net/ 「棄権は危険!そのわけ.. ...続きを見る
平和のために小さな声を集めよう
2007/07/17 19:07

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
SIDS に関しては,まだ営利優先民営化保育園にばかり問題がある,とばかりも言えないんじゃないかと思います.元々,SIDS で天国へ戻りやすい乳幼児が辛うじて生き残る……その中にははしかや麻疹やその他流行病もあるでしょう.

実は私自身が「てんかん」(大発作)という生まれつきの大脳の神経細胞の病気を持っています.だから毎日山のように薬を飲まないと,いきなり意識を失って発作を起こしてしまうんですよね.

# 長いと言われたので続く
kaetzchen
2007/07/15 15:55
なぜか前発言は重複したようです.1つ削除しておいて下さい.

自分の両親を見てると,未だに「キチガイは治ったか」などと軽口を叩いたりするので,やな感じ(笑) これが病院で小発作の患者を見舞っている親になると,半分絶望的というか,手足をベッドに縛り付けられて,口をタオルで縛られて意志を表現できないなど,こうでもしないと「迷惑になる」と思っているのかと思うこともあったりします.神経内科の患者には本当に色んな患者がいます.
kaetzchen
2007/07/15 16:01
ちょっと書き方がまずかったかなぁ。 えっとkaetzchenさんから指摘があったので、コメント欄で言いたかったことを取り敢えず書き、本文にも追記しました。 SIDSで死ぬの原因が、営利企業保育園に問題があるといいたいのではなく、営利企業保育園による酷い保育のため殺されている可能性があるそれぞれのケースの死因を、全て「原因不明」のSIDSのせいにして言い逃れしているのではないか!!?。ということです。 紛らわしい書き方をして申し訳ありませんでした。

いずれにしても、彼女の強い生き方に感銘してあげたエントリーです。たとえSIDSでお子さんを亡くされていても、おそらく彼女は今と同じ様に強く生きてみえたと思ってます。
dr.stonefly
2007/07/15 17:10
SIDS に関してはまだ原因がはっきりしない部分が多くて,果たして営利企業保育園による暴行がメインの原因なのか,もともと集団生活に適応できない子供なのかを,本来は児童精神科医師によって腑分けするべきなんじゃないかと.

児童心理の専門家と勝手に思い込んでいるカウンセラーや保母が一人勝手に決め付けてる事例が多いですね.(実は私の妹はベテランの保母で,一度この件で大ゲンカをしたことがある)
kaetzchen
2007/07/15 21:00
はじめまして。
SIDSの診断は難しいですね。
海外の方が研究(言い方悪いですけど)が進んでいるようです。
本当はきっちりと解剖をして死因を究明しなければならないのですが、日本の場合はやはり同意が得られない(ご両親の気持ちを考えると当然だと思います)事が多く、確かに状況証拠的に広義のSIDSということになることも多いようですね。

dr.stoneflysunの言うように実際にこれは怪しいという症例なんかも少なくないようです。けれどこの辺をはっきりさせようと思うと死因をはっきりさせるための解剖が必要となってしまう・・・。難しい問題ですね。
医療保険制度もそうですが、『営利』という概念から離れて、赤字採算でも仕方が無い分野は割り切った手厚い支援をして欲しいと働く方からしてみても思います。

もしかして記事の意図とズレてしまっていたら申し訳ありません^^;
アルよし
2007/07/16 00:20
アルよしさん,こんにちは.たまにはまともなこと言うやん.ヾ(^^;)

日本の医学はまさに「ジコチュー」ですね.研究の自由・独創性そのものがない.厚労省に覚え目出度くない M.D. には,3年弱の肉体労働をしないことには「医籍」くれないんですよ(笑) そのくせ,米帝あたりから招いた白ブタの M.D. が診療したり治療したり手術したりするぶんには全くおとがめなしだから矛盾してます.先日も中国の優秀な M.D. が手術の手本を見せたら,それだけで医師法で捕まってしまいました.

# 長いと言われたので続く
kaetzchen
2007/07/16 14:35
SIDS の場合も似た部分があって,結局は状況証拠でしか,つまり解剖でしか死因を突き止められないのが現実.要するに「患者のための医療」には,資本主義は似合わないんですよ(笑) もともと「福祉」の概念を作り,「人民のための医療」という思想を作ったのが革命直後のソビエトです.ソビエトは「税金」の概念を崩し,給料から天引きで税金を取って,車購入などのぜいたく税(消費税)のみ残した.つまり,医療もタダになった.そこまで行って,始めて SIDS のような難病を突き止めることができるんじゃないでしょうかねぇ.私は自分が病人であるから,余計に思うのですけど.
kaetzchen
2007/07/16 14:36
>kaetzchenさん
パキシルの件はスルーですか?現場を知らないらしい私に現場を教えてください。


dr.stoneflyさん、脱線して申し訳ありません。ふさわしくないなと思われたら削除されても構いません。
アルよし
2007/07/16 19:31
>アルよしさん
代謝の話になって申し訳ないんだけど,パキシル(塩酸パロキセチン水和物)が急速に普及したのは,肝臓での阻害作用が薬物代謝酵素 CYP2D6 だけだという便利さがあったからです.
その前に出てたマレイン酸フルボキサミン,つまりデプロメールやルボックスだと阻害される薬物代謝酵素が CYP2D6, CYP3A4,CYP2C19 と多岐に渡り,さらに CYP1A2 を強く阻害することが欠点で,肝障害(AUC増大)・腎障害など多くの副作用が出てくる事です.
ここはあまり多く書けないので,とりあえずはこのくらいで.パキシルの何がスルーなのか,具体的に教えて欲しいです.
kaetzchen
2007/07/17 07:38
アルよしさん、はじめまして。
コメントとお気遣いありがとうございます。
今回のエントリーは彼女へのエールのつもりで書いたのですが、書き方がまずかった。彼女の「保育格差への是正」の思いを共闘したいためワタシ自身がよくわからないSIDSに言及したのはよくばり過ぎました。反省してます。

彼女は悲しみという感情よりも深い「何か」を乗り越えているとは思うのですが、やはり自分の子が死んだ(それが人為かもしれない)という、想像を超える感情もやはりあると思うのです。
そうした弱いかもしれない人間の情はワタシは思い遣りたいと思ってます。
dr.stonefly
2007/07/17 08:22
本文中、言及した家族を殺された方の今回の書き方も批判される表現かもしれません。彼に対する「人間の情」に関して誰もが感じるようにワタシとて感じてます。しかし一方、情を感じ、同情するだけで黙ることはできなかった。やはり「生きる」とはどういうことか?を思索しなければ生きることができない、気がしてます。
そんな時、彼女が思索のヒントをくれた。
このエントリーで、彼女と読んで頂いた方とそしてワタシ自身が「真に生きること」を考えるきっかけになれば、と思っています。

彼女はこのエントリー(とコメント)を読んでいるかもしれません。
dr.stonefly
2007/07/17 08:22
わが子を失い、その原因がよくわからない、もしかして、などとショックと複雑な気持ちがあって、普通はわが子がもういない保育の場にもどってくるのは、とても彼女には辛いはずです。それなのに、彼女は、dr.stoneflyさんがその思いを共闘したい「保育格差への是正」に取り組んでおられるのですね。偉い人だと思います。その強さがどこから出てくるのでしょう。
非戦
2007/07/17 10:33
非戦さん、おはようございます。
彼女の具体的な行動については、個人が特定されるおそれがあるので書きませんでした。ただ、その保育園に戻ってと闘うというのではなく、その事件を原点として、広く大きな意味で「こどもと社会」だとか、「保育の格差」だとか、を彼女の意志をもって行っている気がします。見た目はとても緩やかですが、その緩やかさも彼女が乗り越えた「何か」がとても深い部分にあるものと感じた理由です。
dr.stonefly
2007/07/18 08:19

コメントする help

ニックネーム
本 文
「SIDS? 子どもが殺される」…そしてどう生きるか 毒多の戯れ言/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる