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zoom RSS 「平良夏芽はかく語りき」(3)…非暴力のたたかいとは

<<   作成日時 : 2006/10/10 08:50   >>

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 平良夏芽は言った「これは戦争で人が殺されることを阻止する闘いなのだ」と。
 つづけて言う「ことの進行を横目でみながら、反対集会で100人、1000人集まったから成功といった反対運動ではない。ことの進行を体で止める『阻止行動』なのだ」と。さらに「『非暴力』でなければならない」と強く語った。
 ワタシは以前の記事「市民運動としての闘い」…それぞれの立ち位置と力量で」で、それぞれが出来ることを出来る形で、決して無理をすることなくと書いた。このエントリーには多くのTBやコメントを頂き、共感して頂いた思う。平良夏芽の言葉を聞いた後でもこのエントリーの考えは変わらない。ただその記事で「『逮捕』されるような体を張った『派手』な活動は、平良夏芽のような活動家に任せておけばいい。釈放されたから言うが、そんな派手な運動がなんぼのもんじゃい!! 」と書いたことは、闘いの現実を聞き、非常にまずかったと反省している。もちろん撤回も弁解もしないが、なぜ反省したかを平良夏芽やその仲間たちの「最前線」の非暴力の闘いを紹介しよう。なんの「最前線」かを考えながら聞いて欲しい。

 海の上で闘い続けて1年が経つ。完全非暴力の闘いだ。海での工事を止めるために資材運搬船の前に飛び込み行く手を阻み、資材にしがみついて工事の阻止をした。基地を建設する作業員にしがみつくという暴力と間違われることもしはない、完全非暴力の闘いである。そんな闘いをするのは泳ぎの得意な厳つい男かって? そんな奴は一人もいなかった。1年前はみんなカナヅチだった。ただ、「ここから軍隊が飛び立ち子どもをはじめ、生きている人間を殺しにいく」そんなことは絶対に許せないという気持ちだけで、ライフジャケットを来て海に飛び込んだ。
 資材にしがみついていると、作業員に殴られ蹴られ、血まみれになって海に浮かんだ。救急搬送されたことも何度もある。死人が出なかったのが不思議なくらいだ。それでも何度でも資材にしがみついた。約束を破棄して施設局が24時間体制の工事をしたときは48時間海にいたこともある。非暴力の闘いをつづけると「その時」は不思議に痛みを感じないものである。それも「絶対に戦争をさせない」という想いかもしれない。そんななかでも、仲間が殴られ血を流しながら海を流れているのを、作業員が指を差して笑っているのを見たときは、
心の底から 「殺意」が芽生えた。止めどもない殺意である。でもそんなときでも仲間同士、声をかけあい 「殺意」を封じ込めた。
 ここで殺意を抑えきれずに行動すれば、戦争を行い人を殺す者と同じメンタリティになってしまう。この闘いはあくまでも非暴力を通さなければならないのだ。平和をつくり出すための暴力など絶対にないのだ。だからもう一歩踏み出した。
 仲間を死ぬ寸前までおいやって笑っている作業員をあとで追いかけて言った。「あなたが仕事として、家族のためにやっていることは解っている。あなたを敵と思っていない」……、何でもない呼びかけじゃない。仲間が殺されかけたあとでの言葉。
 しかし、声をかけることで作業員たちと心が通じ合ってきた。話し合うことで、殴られることも蹴られることもなくなった。
これが非暴力の闘いなのだ。
 相手を知り情ができはじめると作業が止まる。金はなんぼでもある施設局は作業員を入れ替えてきた。また「0」からの闘いが始まる。その繰り返し。
 そして9/2に作業は止まった。テント村は歓喜の渦だった。
 しかし、それもつかのま10月には「沿岸案」が発表され、テント村は「一瞬」の沈鬱に襲われた。それは1966年計画とほぼ同じものだった……。


 まずワタシは前の記事で「派手な運動」と揶揄するような書き方をしたことを反省したい。また謝罪したい。大変申し訳有りませんでした。
 平良夏芽とその仲間はその立ち位置で出来ることをしているのだ。「派手」という言葉とはほど遠いストイックで地道な闘いだった。
 本人から話を聞いているとどうやら、この阻止行動を「やりすぎだ」と批判する人はけっこういるようだ。「自分の命は守れるのか」とか「逮捕されるまでやるなんて」との批判もどうようにあるようである。そんな批判に対して平良夏芽は言う「では、どうしたらいいか教えて欲しい」と。体をボロボロにして、逮捕されて、そんなことは望んでいない。でもどうしたら人殺しを止めれるか解らない。しかも悠長に考えている時間はない。だから今、考えられることは何でもする、と。
 これが平良夏芽と仲間たちのやり方なのだ。なんの妥協のない強い想いも行動もとめることはできない。たいしたことでもないのに「疲れ果て」「逃げた」負け犬のワタシとは大違いである。ワタシには平良夏芽と仲間たちの行動に対し何も言えないだろうと、「普通」なら考えるのだろうが、ワタシは恥知らずでおしゃべりな負け犬で「普通」でははなので、やっぱり戯れ言を漏らす。

 ワタシは平良夏芽の言葉を聞いてもやはり、海の上ので死を覚悟して闘おうことも、ことが進む横で集まって反対と叫ぼうことも、署名の一筆書くことだろうと、道で通行人に叫ぶことだろうと、泣いて友達一人に訴えるだけだろうと、ポツリと一人で考えるだけだろうと、それぞれがそれぞれの立ち位置と力量でやれることをやるのが一番だと考える。それぞれ個々の行動と想いに優劣などないのだ。それぞれを批判したり中傷したりすることが無意味で、それこそ「分断」に繋がることを知らなければならない。
 体制は、「ことをすすめる時」にはどんなことをしても進めるだろう。いくらそれが非暴力の闘いだと言っても、やはり進めるだろう。平良夏芽と仲間達は殺されるかもしれない。やつらはやるときはそこまでする。殺しておいて事故だと発表するだろう、不法行為に対して他に手を打てなかったと。そして着々と人殺しの要塞を完成させる。やつらの良心を安易に信じてはいけない、もともと人の命などどうでもいいと思っているのだから。同じ側にいるはずの「やりすぎだ」と批判した人も「だから言っただろう」と言うかもしれない。またそもそも不法行為でやってるのだから仕方がない、という人がいるかもしれない。まったく「つまらない」。そんなこと言ってなんになる。「めちゃくちゃつまらない!!」そんなことでいいのか!?
 それぞれの立ち位置で力量でやれることをやればいいと言ったが、ベースの部分で繋がり合っていなければならない。
 最後に誰にでもできることを提案したい。最前線で闘う平良夏芽と仲間達を見ていることだ。見ているぞ、とやつらに言うことだ。平良夏芽たちが「孤立」していると解れば、奴らはすぐにでも殺すかもしれない。しかし多くの目で見ていることがわかれば奴らも躊躇するだろう。
 これも非暴力の闘いなのだ。



 ……まずないだろうが、どこのどの時点で、いかなる理由で、誰もが納得出来ない理由で平良夏芽が闘いの場を去っても、それが例え仲間を裏切って去るように見えようとも、これまでの平良夏芽の言葉がすべて「無」のように見えようとも、ワタシは「お疲れさま」と言いたい。

「平良夏芽はかく語りき」(1)…沖縄の空気、戦争の予感
「平良夏芽はかく語りき」(2)…辺野古が『代替』基地なんて大ウソ!!
「平良夏芽はかく語りき」(3)…非暴力のたたかいとは
「平良夏芽はかく語りき」(4)…国家が国民に牙を剥くとき
「平良夏芽はかく語りき」(5)…沖縄知事選で私たちでも出来ること



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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
素晴らしい記事をありがとう.『非暴力』を貫く戦い,言うは易く行なうは難し,ですが『暴力』に訴えたらあっという間に鎮圧されることでしょう.
ほんとにもどかしいですね.あきらめずに何か続けていかなければならないのは確かですが.
全国から続々と沖縄の海へ集結してくるようになるといいですけどねぇ
まだ国民の心に訴えが届いていないようです.この方面でももっとがんばる余地がありそうです.
アルバイシンの丘
2006/10/10 13:16
無性に泣けてきました。
gegenga
2006/10/10 14:13
最前線で闘う平良夏芽と仲間達を見ていることだ。見ているぞ、とやつらに言うことだ。平良夏芽たちが「孤立」していると解れば、奴らはすぐにでも殺すかもしれない。しかし多くの目で見ていることがわかれば奴らも躊躇するだろう。→ここに同感!私は、絶対、関心を寄せ続けます。平良さんの言葉を外に発進し続けます。
非戦
2006/10/10 14:47
アルバイシンの丘さん、こんにちは。
暴力はワタシたちの日常、とくに「言葉の暴力」はブログの世界では多々横行している気がします。自戒するとともに「対立」ではなく「共感」までいかなくとも「許容」を目指さなければならないと、辺野古の非暴力を闘いを聞き、ひしひしと感じています。さらにもう少し辺野古の事情も情宣したいと思ってます。
dr.stonefly
2006/10/10 18:10
gegenga師匠、ワタシは師匠が泣けた、と聞き、読み直したら泣けてきました。自分で書いた文章で泣けるワタシっていったい……。
dr.stonefly
2006/10/10 18:13
非戦さん、(2)のほうのコメントもあわせて、ありがとうございます。講演の会場にいらしてたのですね。正直に申しまして夏芽の話しにワタシも胸を打たれ熱くなりました。しかし、胸を打たれ熱くなっているときこそ自戒しなければならない、と思ってます。一度冷静になって咀嚼しなおす意味も込めてエントリーしています。今ニホンでは、辺野古の問題だけでなく、六ヶ所の放射能放棄、障害者や保育園、老齢者の棄民、ワーキングプアなどの労働問題etc.etc.また、個人は個人で悪政・棄民からそれぞれの問題を抱えています。ワタシは出来る事を出来る範囲で無理のないように、と言ったのは、そうしたいろいろな問題に対峙している人々がそれぞれ見つめている問題に対して無理無くでも、真剣に真摯に対峙できたらという願いを込めてです。
今、辺野古のことを書いてますが、辺野古が全てに優先される問題とも思ってません。それぞれがそれぞれの問題に関わりながら根底でそれらが繋がっていることを知って欲しいと思ってます。
解り難いコメントで申し訳有りません。
dr.stonefly
2006/10/10 18:33
トラックバックありがとうございました。
できることをその人なりのやり方でやる、そしてやり続ける、それが一番だと思います。
そしてここぞというときにネットワークできたらなおいいですね。
さくら子
2006/10/11 14:50
ありがとうございます。まず、そう申しあげます。
まず知らなければ何も始まりません。知ることからスタートし、そこから何が出来るかは各自で考えるほかないでしょう。

まだまだ何かコメントしたいのですが、言葉がうまく浮かびません。スイマセン。
愚樵
2006/10/11 16:08
さくら子さん、はじめまして。
ほんとにネットワークは大切ですね。そしてこれからさらに大切になると思います。そこで従来のメールにプラスしてブログの力が問われると思ってます。
dr.stonefly
2006/10/11 18:26
愚樵さん、こんにちは。
とりあえず平良夏芽の言葉の紹介ですから、ありがとうと言われても……。
直接、夏芽の声をきくと感情は昂り、引き込まれました。でも、一旦冷静になり「思考しなければ」と思ってます。
もう少し紹介するつもりです。それが、今のワタシにできることだと思ってます。
dr.stonefly
2006/10/11 18:31
はじめまして♪活動ごくろうさまです。TBさせてもらいました。沖縄でおこっていること、いかに自分が知らないかがわかりました。ひとりでも多くの人に広めたいですね。
あずーる
2007/03/09 01:29
あずーるさん、はじめまして。
TB、紹介ありがとうございました。ワタシは今、机上の箱の前に座って「戯れ言」を垂れ流しているだけで「活動」はしてません(笑)。でも、おっしゃるように皆に広めなければならないことは、すこしでも広まったらいいと思ってます。
今後もよろしくお願いします。
dr.stonefly
2007/03/09 09:24
コメントありがとうございました。すいません、今いちど読み返して、dr.stoneflyも活動に参加されたのだと勘違いしていた自分が恥ずかしいです;;でも机の箱^^の前で「戯れ言」どころか大切なメッセージを発信されてますよ。
あずーる
2007/03/10 01:06

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