「益川博士、護憲を語る」…ノーベル物理学賞受賞博士の思考回路

 さて、お約束のノーベル物理学賞の益川博士の「なんちゃって講演録」である。
 11.3名古屋大学の豊田講堂なんだけど、時間を勘違いしていてヤバいと叫びながら走って行ったときには、開演予定から10分ほど過ぎていた。息を切らして1000円を払ってパンフを受け取り建物のなかに入ったときは、まだ前振りで益川博士の講演が始まる前だったのはよかったんだけど会場(講堂)には入れずにホールにてモニター聴講。1,000円払ったのに場外聴講かぁ、という愚痴は言うまい。建物内のホールだから場外じゃない、っていうのかもしれないしね。それにしても場外聴講って始めてなんだけど、妙にクールになれるな。モニターから垣間みる会場ではやんやの拍手の場面でも、みんなシーンとモニターを見ているの。講演者が面白くない洒落を言っても誰も笑わない。クスって聞こえてもくるんだけど、なんだか嘲笑しているように聞こえて来たりさ。
 まあ、大写しのモニターから講演者の細かな表情がはっきり見えたり(ほとんど表情は変わらなかったね)、やけにスピカーシステムが利いていて声がハッキリ聞こえたりすることを知ったんだけど、やっぱり何だかちょっと損をした気分。
 それにさ、講演時間もたった45分だったわけで、その辺も1000円かぁ~と感じた所以。まあ集会としては半日やってたみたいだから、全部で1000円なのかもしれないんだけどさ。でも講演がメインだろうし・・・、ほんとのことを言えば話の内容にも違和感があったので、う~ん、って思った。
 まあ、ノーベル物理学賞受賞教授が護憲について語り、豊田講堂が満席でオーバーフローしたとすると1600人ぐらいは集まったのかな? 護憲集会としては成功なのかな? ってことでよしとするかぁ。
 あ、あと、どうでもいいことだけど、演題は「ソマリア沖まで行けるのに、なぜ九条がじゃまなのか」っだったけど、ソマリアのソの字もでてこなかったなぁ、爆!!

 で、ノーベル物理学賞受賞の科学者の益川博士がどんな思考をもって、護憲話をするかってとこに興味があると思うのでなるべく漏らさずに書こうと思う。
 益川博士が坂本門下だったから社会運動とか平和運動に関与しなければならなかったとか、もともと平和運動の後ろをついて歩いていたんだけど、京都9条の会や科学者9条なんかに係って前を歩かなければならい、と思ったとか、戦争体験を話せる世代の人が少なくなって来てるからそういう話もしなければならない、なんて前段の後に言ったのは、私は改憲派です、ってこと。個別条文を検討するとっていう例のやつで、改憲すべきは選挙権を持たない30人ぐらいの部分を・・・、ってことだった。この辺が軽い「掴み」になるのかな(笑)。まあ、1条いらねぇ~ってのは、ワタシもいっしょだけど、前文や他の条文を改悪されるのと1条の破棄をセットってことになると、大切さの比重がまるでちがうから全体でもって護憲ってことになる。ワタシはブログ周辺では笑い話として同じことを言った事があるけど、大衆に向けた講演でわざわざ1条のために改憲論者ですなんて言うことないってのが、今のワタシの思いなんだけどどうだろう?
 あと益川博士の「掴み」といえば、戦争に反対ではない、って断言したことかな。これはベトナム解放戦線の例なんかを挙げて最終的に自分たちを護るために闘わなくちゃならない戦争に反対しないと説明していた。歴史上こういう闘いは多かったよね。ゲバラでもマルコムでも安保でも三里塚でも、、、昔のワタシはそう思ってたけど、最近では考えを非暴力に変えてるんで、ちょっと違和感。
 でも益川博士はクラウゼビッツ?が言ったような、「戦争は外交の延長上にある(戦争は外交の一部だ)」っていう戦争には反対だというのね。外交上の考えが対立しても、双方の被害を考えたとき外交(話し合い)で納めることは可能だ、って益川博士はいうのね。ワタシにはどうもしっくりこない。「被害を考えたとき・・・」ってさ、アメリカの戦争利権で戦争をしかけるのは、双方の被害云々じゃないし、戦争を目的とした軍需利権ってのが主流のような気がする。それに戦争は損得だけで始まらない気がしていてさ、もっと感情的なんだって人間ってのは。感情って話がでてこなかったのは唯物論的科学者たる所以なんかなぁ??
 益川博士は、あと100年、200年で戦争はなくなる、って言うのね。それは歴史の必然なんだって。歴史は必然の道を歩んでいて、世の仕組みによって豊かに変わって行く。たとえばリンカーンが黒人奴隷解放したのも、リンカーンの人権意識じゃなくて、アメリカの産業が南部の農業から北部の工業に移って行った。労働力を南部農業だけにしばりつけるんじゃなくて全体に行き渡らせるための方法として奴隷解放につながった、それも歴史の必然らしい。そういったように歴史は変わって行くなかで今から100年、200年後には戦争は無くなっているんじゃないか、って言うのね。ワタシもたいがいドリーマーだからそう信じたいんだけど、どうも納得いかないなぁ。豊かに変わって行く、ってのは物質的豊かを指しているのかな。益川博士が科学者的ドリーマーなのかもしれないが、これからはこれまでの自然に対するツケがこれからどんどん人間に返ってくるので、人間にとって息苦しくなるんじゃないのか? 物質的豊かさは破綻していくと思うのだけどね。一旦物質的に満たされた人間にとってその逆行は簡単に受け入れられない気がする。たとえばこれから100年の間には食料不足にもなるだろうし、かといってこれまでの飽食を捨てられるかというと疑問だな。残された食料の収奪合戦は戦争になるんじゃないかな、という危惧をしてしまう。ここで必要なのが憲法前文や9条のような精神、ってのがワタシの思いで、必然ではなく意識して必然を変えないと破滅するんじゃないかと思うのさ。平和憲法や9条ってのはそういう意味もあるんじゃないの? ノーベル賞受賞博士にいちいち逆らって悪いけどさ。科学者と詩人は頭の構造が違うのかなぁ? って誰が詩人なんだよ、爆!!
 どうもね、この講演は脱線話が多くて話のつながりが解りにくかったのだけど、脱線話のひとつに昔のテレビの話なんかがでた。昔のテレビは真空管17個で画面が映り、故障しても構造が解る人は直せたけど、今のテレビはLSD、、じゃないやLSI大規模集積回路って真空管1000万個もの働きをする回路が組み込まれていて、電子工学の先生でも直せないっていう脱線話。LSIのなかにはメーカーのポリシーが組み込まれていて、それをブラックボックスって言うんだけど、ここが未知だから直せない、ってことなんだけど、この話は本論のどこに繋がるのかなぁ。もしかして陰謀論へ繋げたかったのかなぁ、、、(笑)
 益川教授は、今9条を変えるかどうかってアンケートを取れば「変えない」のほうが多いだろう、って言う。でも、たとえば国鉄民営化にしても裏(ブラックボックス)で動くヤツがいて、そうした工作でひっくり返るっていうわけさ。国鉄民営化のときは、労働組合のやつは昼間っから風呂へ行ってて、そんな労働貴族はけしからんなんて、裏でマスコミにリークし続けるヤツがいたりしたってね。で、9条も今のままならの世論なら「変わらない」んだけど、裏で、どっかの国を唆してミサイルの2発も日本に叩き込ませれば、一気に改憲の動きになるだろうってさ。まあ、いままでもマスコミと北朝鮮を利用して不安を煽ってきたんだけど、一気にカモンミサイルですか? 言うねぇ~。さすがはノーベル賞受賞博士。てか、、、。面白いんだけどさ、なんか、ノーベル賞っぽくないブログの陰謀論談議みたいな話だなぁ。まあ、最後は納得する締めをしてくれました。
 改憲を提議して行動をおこしたにもかかわらず、結果、改憲されなければ提議したやつ(政府)はめちゃくちゃダメージを受ける。だから一旦提議したら(どこぞに)ミサイル要請をしてでも改憲するだろう、ってわけ。でもね、やっぱり提議するには覚悟がいるわけさ。で、みんなで改憲反対の声をあげて実際に提議を留まらせるようにしようぜ、って締め。これには賛成だね。
 でも、裏を返せば、提議させられるときは相当ヤバい時とも聞こえるな。

 この1時間後に学生と益川博士と討論するってプログラムがあったんだけど、なんとなく帰って来ちゃった。そっちが面白かったかどうかは知らないんだけど、あまり待ってでも聞いて行こうって思わなかったのがホントのとこ。
 
 


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 3

面白い 面白い
ナイス

この記事へのコメント

kuroneko
2009年11月11日 01:37
戦争がなくなる、前に、昔の「戦争らしい戦争」が変質する、ってことはあるんでしょうね。

「対テロ戦争」って、ベトナム戦争(ゲリラ戦)とは明らかに違う。

 戦争をする主体は国家同士ではなく、国家と武装組織、になる。
 武器の管理がどれだけできるか、少数者の利害をどれだけ尊重して調整できるか、宗教(イデオロギー)をどれだけ相対化できるか、がポイントになるのでしょう。
dr.stonefly
2009年11月11日 11:27
100年先、200年先のことは個人的(おそらく益川さんも)には確認できないんだけど、形をかえても戦争はなくならない気がしています。
特に
>武器の管理、利害の尊重
をしている間は戦争をなくすことは無理でしょう。


戦争は、利権者によってつくりだされるもの、という意味では差別と同じ構造だな、と思いました。

非戦
2009年11月11日 21:46
今の戦争は民営化しているので、100年後や200年後に戦争がなくなる、という益川さんのご意見にはわたしも同意できません。

>やっぱり提議するには覚悟がいるわけさ。で、みんなで改憲反対の声をあげて実際に提議を留まらせるようにしようぜ、って締め。

わたしもそう思います。

>でも、裏を返せば、提議させられるときは相当ヤバい時とも聞こえるな。

ヤバイでしょう。
dr.stoneflyさんのこの講演録は、締め出された会場の雰囲気まで伝わってきて、とてもおもしろかったです。
dr.stonefly
2009年11月12日 08:07
>ヤバイでしょう。
とするとやはり、今、反対の声を上げなければならないことになりますね。

場外モニター聴講というのは、ほんと初めてでほんとクールでした。
モニターを挟むだけで空気は遮断されるもの、ということを知りました。今回は客観的に聞けてよかったかもしれません(笑)。

×第二迷信
2009年11月19日 21:09
「ひのえうま迷信」みたいに、100何年前にはほとんど気にする人がいなかったのに40何年まえには「人口ピラミッド」が凹むぐらいの影響を与えてます。

 「進歩」というのは、世の中平等に進歩しないもんなんですよ。まったく。

「天動説」を信じてる生徒が3割いるとかいう話もあったが、40年前(アポロが8ビットのコンピューターで飛んでいた頃)には考え付かない。

10年後、20年後、100年後の人間様が、いまより賢くなる保障がまったくない、という
非常識が常識・・・

しかし、サッカーや野球で、モニター見ながら「臨場感」もって大騒ぎする人々、というのは、ある意味、「進歩」なのかも?
dr.stonefly
2009年11月21日 14:51
ほんと、進歩していないだろ、ずっと繰り返していると感じますね。
益川さんの言う進歩というのは、唯物史観ってのと関係あるのですかね。科学者ってのは唯物論的に人間をみるのか、人間は感情的で愚かだと思うのですが……。

この記事へのトラックバック

  • プッ! 「赤い労組の旗」だってさ

    Excerpt: ?「太鼓持ち、あげての末の 太鼓持ち」といいますが、「スノビズム あげつらうのも スノビズム」 「党派性 それを言うのも 党派性」 というもじりを作ったことがあります。  もう一つ、「政治性 指.. Weblog: みんななかよく racked: 2009-11-09 10:58
  • 独立なんかしたくない!植民地でいたいんだ!!!

    Excerpt: 自分の発言や行動の責任を自ら負うなんてまっぴらゴメンです。 だから旗に傅きます。 だから起立して歌います。 だから宗主国様の国債も買います。 だからイラク虐殺にも協力します。 .. Weblog: 迎春閣之風波 racked: 2009-11-09 18:25
  • 学童保育について

    Excerpt:  きょうは学童保育について書いてみようと思う. 学童保育というとdr.stoneflyさんとか,その関連ページを思い浮かべる.もとより私はそういう知識もないし,見ている地域も違う.というのは,どうやら.. Weblog: 高知に自然史博物館を racked: 2009-11-11 15:19
  • エコノミック・ヒットマンが語るアメリカ帝国の秘史  ―経済刺客、暗殺者、グローバルな腐敗の真相

    Excerpt: エコノミック・ヒットマン(経済の殺し屋)と呼ばれる仕事についていた米国人・ジョン ・パーキンス氏が告白している動画があります。 米国に刃向う指導者や、賄賂が効かない国家指導者にはジャッカルと呼ば.. Weblog: 晴耕雨読 racked: 2009-11-17 19:07
  • ユーロ、国民国家、世界通貨

    Excerpt: すべての国が傷を負いますから続きます。 ● ユーロに対する疑念 ユーロは、これまでの通貨が国家(政治的支配)領域の拡大で通用範囲を広げていったのとは異なり、通貨の通用範囲を先行的に拡大させるという.. Weblog: 晴耕雨読 racked: 2009-11-19 20:09