「支援と当該」…支援運動はない

 まえに書いたことがあるかな? 忘れてしまったのでまた書くことにする。
 昔、青カンの支援運動をしていたことは何度も書いた。
 でね今回のテーマは、ん、支援運動? 支援? ってひっかかる人もいるかな、ってこと。
 支援をしていたとうことは、支援をされていた人がいるというわけだね。で、支援をしていたころのオイラたちは、支援をされていた人を当該と呼んでいた。たとえば「派遣村」でいうとこの、湯浅さんとかボランティアと呼ばれる人々が支援で、派遣切り難民が当該といったとこだ。辞書的な意味とは離れるかもしれないが、当事者とか該当する人を支援する人ってニュアンスで、それは「支援があるという前提」での呼び方かもしれないな。
 で、言葉の意味からすると、(困っている)当該がそれを改善しようとすることや変えるために社会に働きかけることを「支援」する、ってのが筋だと思うけど、当時のオイラたちの運動は支援が代行してやっちゃうことが多かったの。青カンにおいこまれたのも「自分が悪いんだよ」と自己責任と思っている人も多かったし、自己責任だから「基本的人権」がなくても仕方ない、って人も多かった。でもやっぱり、あたりまえだけど、青カン当該も床と壁と屋根のあるところに住んで、三食とれて、服をきたい、とは思っている。いろいろな意味で「あきらめ」もあったかもしれない。支援は、「権利があるのだからあきあめないで、頑張ろう」といいながら、実際の行政闘争なんかを代行していた。代行ってのも、本来当該がするはずのとこを代わってやっている、って感じかな。
 そうこう支援しているうちに、やっぱりおかしいよね、って話になり、当該が自ら闘えるように仕向けるのね。で、自ら闘う「当該」とそれを支援する「支援」って本来のかたちをつくっていった。「かたちをつくっていった」ってのは結構笑えるんだけど。でもまあ、そんなとこ。
 でもさ、やっぱりそれも違うと思うんだよね。そも「支援」なんていっても、青カンを排出している社会の一人としての「当該」だもんね。「派遣村」でいうならば、派遣切り難民を排出する社会をつくる一人のわけだ。こうやって考えると「支援」と「当該」っていうカテゴライズ自体が間違っていたことに気づく。
 派遣村では、なんて呼ばれカテゴライズされていたんだったっけ? 「主催者」?「支援」?「ボランティア」?……、みんな、派遣切り難民が排出される社会を変えたいと思っている当該だね。当該としての実践、当該としての闘いとしてなんら批判されることはないと思うの。
 逆にね、派遣切り難民当該の人々が「支援されている」という思いだけで過ごしたとしたら、それはちょっと違うんじゃないかな、って思った次第。もちろん以前よりデモなんかしているようだから、オイラの思い違いかもしれないけどね。

 青カン支援や派遣難民支援のほかにも、「支援」って呼ばれているものは多いな。呼ばれていなくても、そういう意識にあるもの。海外のものも含めて、支援運動なんてまわりに一杯あるさ。もし個々が社会人当該から人間当該まで考えることができるなら、それは支援運動じゃないことに気づく。オイラたち自身のことなんだ。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 10

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)

この記事へのコメント

2009年01月17日 09:54
 ドクタの朝臣に代はりて
青カンを 当該と呼ぶ 頃もありて 当事者性を 考えてみる
    俵ちょい万智

「派遣村」のお手伝い役割の人は「ボランティア」かなあ。派遣切りされた当事者は「村民」って言うんでしたっけ。
 あたしなんて「観光客」だったな。ジクジ。ジクジ。
2009年01月17日 13:42
私の糖尿病が悪化して,インスリン注射器を常に携帯するようになってから14年がたった.そう,阪神淡路大震災の救援活動へ入ったために私は自分の命を代償とした.

こんなふうに言うと格好良すぎるけど,結果として同居人と離婚するはめとなったし (そりゃ給料を全部青カンしてる被災者に注ぎ込んだら,亭主失格だわな),自己満足だと言われても仕方がない部分もなきにしもあらず.唯一,義母が理解を示してくれたのが幸いですね.

「ボランティア活動」って,やってる方も結構,色々な背景を持っていたりするんですよ.
2009年01月18日 09:47
>もし個々が社会人当該から人間当該まで考えることができるなら、それは支援運動じゃないことに気づく。オイラたち自身のことなんだ。

いたく共感します。

読んでて考えたんですけどね。もし、私の住んでる集落で誰か知らない人が倒れていたりするとするでしょ。そうすると、たぶん、なんの躊躇もなく助けると思う。自己責任なんて関係ないですよ。とにかく、まず助ける。事情を聞くのはその後。

でも、じゃあ、それが別の場所、例えば都会の雑踏のなかでとなると、それが躊躇なくできるかどうかは自信がない。助けるにしてもきっとどこかに「躊躇」が混じると思ってしまう。少なくとも私は。その差って何なのかと考えるんですね。

考え過ぎかもしれませんが、「支援」ってのはこの「躊躇」への後ろめたさの裏返しなのかも、なんてね。自己正当化といえば言い過ぎだけも、そんな要素もあるのかも。

「人間当該」という所にまでいたるのは当人達の意識の問題よりも、もっと深いところの問題のように思えます。
田中洌
2009年01月18日 19:48

むつかしいことわからないけど、隣で滅んでいく(困っている)やつに、手を差しのべるって、ごく普通(万国共通)の、人情じゃないのか。

でなきゃ、とっくに、この世は、千年も前から破滅しているぜ。

dr.stonefly
2009年01月19日 08:52
kuronekoアニさん、新春歌会始ですか。
>ちょい万智、、って言われると、ちょいとお待ち、ってのが浮かんできて、自分の記事を読み直してしまいました(笑)
「観光客」ってことはないでしょ。観光客はカンパなんかしませんよ。ちなみにワタシが越冬闘争にカンパした金額は1000円でした。威張って公表しておきます。
前にエントリーでも書いたんだけど、ワタシも行くか行かないかの葛藤がありましたが、やっぱり実際に動くには「気持」ってのが必要になってくる。その「気持」は大切ですよね。



kaetzchenさん、
そういえば、昔いっしょに動いていた仲間も、金銭的に裕福な人はいなかったなぁ。でも、楽しかった。精神的な裕福さはあったのかもしれない、と回想しています。


dr.stonefly
2009年01月19日 08:52

愚樵先生、貴宅では、つまらぬコメントを書いてしまい失礼しました。「悩む力」は読んでみましたが、うーん、あまり響かなかったなぁ。読解力がないのかもしれない、ちょっとしたら再読してみます。

「助ける」か「躊躇する」か、これは面白い問題提議かもしれない。ワタシ自身は、かつて「支援」運動をしていた頃は、都会の雑踏のなかで、座り込んでいる人がいたら、人目を憚らず(それが青カンだろうが普通の身なりの人だろうが)、声をかけました。では、今は、というと躊躇してしまう。
これが、自宅の町内だったら、とか、自宅の前だったら、とか、だとどうするのだろう、ってのも考えますね。
またまた、自宅の前の公園が「ホームレス村」だったら、とか。
考え出すと面白そうです。

社会人当該と人間当該のあいだにはやはり距離があるのかな。
確かに、ちょっと違う次元の問題かもしれない。
ただ、このエントリーが、
支援→社会人当該→人間当該、ってベクトルで書かれたからかもしれない。逆に
人間当該→社会人当該→、、、というベクトルで考えたら、もっとすっきりするのかも。

dr.stonefly
2009年01月19日 08:53

洌さん、
むかし、支援をする理由付けを考えていたら、「困っている人がいうから助けるの」ってMに言われ、はっ、としました。
多分、それが基本でそれでいいと思う、のだけど、なんやかやとやっているうちに考えてしまうんです。性分かもしれない。

哀しいかな、>ごく普通の人情、がまかり通れない風潮もありますね。情けは人のためならず、って昔から言われるのに。


この記事へのトラックバック

  • BPO の「放送倫理検証委員会」は正常に機能するか?

    Excerpt: NHK番組改変 「自立性に疑問」BPO委、審議入り(朝日新聞) - goo ニュースについて  ヤメ蚊さんのブログで「書く」と言っておきながら,今日まで引き延ばしてしまった.反省.今日は思い出した.. Weblog: Die Weblogtagesschau laut dem Kaetzchen racked: 2009-01-17 16:13
  • 団結してガン克服を要求しよう

    Excerpt: ガンの現状は、日本と日本人の現状をもっともよく表すものである。 ガンは、右翼も左翼も、与党も野党も、経営者階級も労働者階級も区別なく襲いかかってくるものである。 誰もが関心を持つテーマである。 政治に.. Weblog: バロメータ racked: 2009-01-22 01:57
  • いすゞの派遣労働者の話をききます

    Excerpt:  再度お知らせをします。24日の例会のご案内です。   JCJ神奈川支部では下記の日程で、昨年暮れにいすゞ自動車を解雇された派遣労働者�... Weblog: JCJ神奈川支部ブログ racked: 2009-01-23 01:47