「派遣村の意義」…多少の違和感をあえて言う

 新年そうそう、ホント偶然でたまたまなんだけど、池田信夫というオサーンを引用し批判したために、愚樵さんの尾を踏んでしまった。愚樵さんは、オサーンの書く内容(思考結果)は正しい、という。ただ、正しいけれど、敵だ、と言うのよ。
 この辺りがよくわからない。きっとオサーンの言う事を理解し、理解した上で思索し「人の存在の本質」と絡ませたとき「敵」といわせるのだろう、と想像するが、違うかもしれないな。いずれにしても、不勉強な毒多にはオサーンの言うことが完全には理解できない。これまでもほとんどが野生の感、肌感覚、寄せ場での経験と感情のみでものを言ってきたわけで学問的裏付けなど皆無である。小難しい経済の仕組みや社会学などすっとばしてきたもんだから、オサーンの短いエントリーを読む事さえ苦労する。愚樵さんのエントリーは長いのでさらに苦労する(笑)。
 社会とか経済とかをオマエはどうしたらいいと思ってんだ、と聞かれたら、単純にみんなで分け合えばいいんとちゃうの? みんな金に振り回されることなく慎ましやかに「生」の本質を思索すればいいとちゃうの? と漠然と考えてきた。でもそんなオイラにしても貨幣経済にずっぽり組み込まれているわけでほんとはきっとそんな単純なことじゃないんだろうなぁ、とは内心思ってきたけど、かといってそれを追及することはなかった。まあ、愚樵さんに乗せられてしまったうえに、肌感覚ではオサーンのような「敵」と対峙することもできないだろうな。今年は少しづつ勉強することにしよう。

 で、まだ勉強していないからまだ肌感覚なんだけど(爆!!)、このまま派遣村批判の再批判を終わらせるのも蕁麻疹が痒いので、自分の整理のためにもう少しだけメモっておこうと思う。

 ここのとこの越冬闘争やら派遣村のエントリーは「運動的視点」で書いてきた。もう少しその視線で書くと、「派遣村批判」には「貧困度の競争」つまり派遣切り難民より貧困度が激しいけど頑張っているいる人もいるのに何甘えてんだ、って批判(心理的に同様なものも含む)とか、「派遣村」という運動の方法論的に「派遣村」のやり方は甘い、適切じゃない、ってのがあるように読める。
 昔さんざん寄せ場運動で、方針と立ち位置と意地と目指すものと相性とフィーリングが合わなくて、自ら分断していったオイラが言うのもなんだけど、やっぱ何だかなぁ、と思う。こうして貧困層当該や支援が自ら分断していくのはヤツラの思う壷じゃないの、なんて感じてしまうわけだ。派遣村以外の貧困層および困窮層をなくす運動も「派遣村を利用して」繰り広げるべきだし、連帯していくべきだろう。たとえ行政が派遣村を優先的に救おうとしても、その怒りの矛先を派遣村に持っていくのは違うよね。
 まあ応援にしても批判にしても、湯浅さんは歓迎なんだろうと思う。世論が盛り上がっていただかないことにはお話しにならないからね。ただ、今の社会システムを肯定し(たようにみえ)た上での補完になってないか、の検証は必要だな。
 それにしてもね、結構順調にいっているなぁ。この妙な順調さは確かに「お約束」っぽいってのは思っちゃうんだけど、そこにちょっとの違和感はある。って、オイラの違和感は村民の意識について。派遣村(支援の力)で衣食住を救援して行政交渉して、アパートに入れさせて……つまり、結構トントン拍子で村民が救済されていくのを知ると、派遣切り難民が、難民に追い込まれたことや、追い込まれたところから見えることを、あまり考えなかったり見ないままに元の社会、つまり難民に陥れた社会に戻っちゃっているんじゃないかなぁ、ということ。その社会に疑問を持たなかったり、自分が救済されて終わりじゃあ、ちょっとね。ある意味最先端なんだから、自分を陥れた社会にたいして先頭にたってやれることがあるんじゃないか、と思うわけさ。そこは考えて、きっちりやって欲しいと思う。
 

派遣切り難民にさせられた自己責任はなくても

難民を生む社会を変えていく個々の責任はある



 それと批判のなかでもちょっと、変わったのがあった。これオイラがいってきた「哲学的視点」的批判で、これに対しては再批判しにくいな。
 ようは「ただ生きているだけが絶対的に正しいという前提」から出発しているのは間違いじゃないか、っていう批判。池田晶子の姐御に傾倒していたり、青カンなんかのドン底から見えるもの「本質」は多いのとちゃうか、と書いてきたオイラは、どうもこういうのに反応してしまう。さっき書いたのは「運動的視点」として見なくてはいけないものを見ないままで救済される、ってことだけど、「哲学的視点」でも派遣村でトントン拍子に救済しては本質的な部分で派遣切り難民のためにならないんじゃないんかなぁ、って思いはほんのちょっぴりはあるのだ。まあ、大きなお節介だよな。別にいいんだけどさ。やはり「何故生きているか」を追求するのは自己責任なんだから、派遣村がその『思索』のチャンスを奪うかどうかってのは関係ないということにしておこう。ほんと身体が生きていなければ(多分)思索もできないわけだしさ。


 いずれにしても「派遣村」はお祭り騒ぎでも一過性のものでも、廃村で完結するものではなく、この社会システムが崩壊していくなかの出発点(本当の出発点はずっと昔なんだけど)なんだよね。
 

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この記事へのコメント

2009年01月13日 19:58
スミマセン、いつもいつもわかりにくくて。

>正しいけれど、敵だ、と言うのよ。

はい。なぜそんなことになるか、もう少し述べさせてください。

要するに、み~んなが信じてるから正しくなる、ってことなんです。たとえば、ここに一万円札があるとします。これをお店に持っていくと一万円分の商品と交換してくれる。けど、その商品、ホントに一万円分? なんて疑問を持ち出すとわけわからなくなるじゃないですか。みんなが一万円には一万円の価値があるって“信じている”。だから世の中上手くいくってもんです、実体はね。オサーンの正しさってのは、そうした「信仰」(と敢えていいますが)を元に組み上げたとき、正しいということなんです。で、みんなはそれを「信仰」だなんておもっていないから、オサーンの予言があたるとますます「信仰」への度合いを深めていく。この「信仰」へのスパイラルを「近代」と呼んでるわけですが、この「近代」ってのが人を幸せにしないんです。だから、本当の敵は、みんなの心に巣食う「近代」なんですが、オサーンはその「近代」を強化するんですね。
愚樵
2009年01月13日 20:00
その「近代」を知るには、「近代」じゃないものを知るのが一番の方法だと思います。「近代」を知って「近代」を突き抜けるのは、凡人にはちょっと無理。だから、オサーンの言い分は、はじめは勉強しなくていい。実は私もちょっと専門的になるとわからない。また理解する気もない。オサーンは「近代」以外のものを知って、そうか! と腑に落ちてからでいいと思います。

と、いうわけでオススメは内山節。それとエンデ。「モモ」の作者ですね。ほかにもニーチェとかオルテガとかレヴィ=ストロースとかフーコーとか、いろいろいらっしゃるが難しい。その点、内山は平易です。あと姜尚中の「悩む力」もヨカッタ。dr.stoneflyさん敬愛のイケダの姉御は...、、申し訳ないけど「近代」の枠の中の人というのが私の評価。

重ねてお詫び申し上げます。いつもエラソウでスミマセン m(_ _)m
dr.stonefly
2009年01月14日 15:02
ななな、なんと、アキコの姐御が1万円の価値しかなかったなんて、やっちまったなぁ(涙)。
なんてこともないんですが、まぁお薦めの内山さんの臑でもかじってみますかね。
naoko
2009年01月15日 04:58
総務省事務次官の年始挨拶中の問題発言も、いつの間にやらうやむやに…。
高級官僚が、みんな新自由主義者に見えてきたナア。

近代によって殺された‘(わたしたちの)心’は、何をもって再生し得るのか?
これは、今、(人類にとって!?)最も切実なテーマだと思います。

カンさんの「悩む力」は、わたしも良かったです!
dr.stonefly
2009年01月15日 08:53
>今、(人類にとって!?)最も切実なテーマだと思います

「近代」を当然のように刷り込まれてきたワタシにとっても、切実なテーマだなぁ。

「悩む力」は評判いいですね。読んでみます。
読んで悩む力が強くなっていくと悩ましいんですが。(笑)
2009年01月16日 23:28
目の前の貧困を救うことと、貧困を生み出すシステムを変革することと、それは同時並行的に進めなければいけない、みたいなことを二宮厚美は書いていたような気がします…湯浅さんもそれを実践していると、わたしは理解しているのですが。

またご教示ください。
ブログのお話、たのしみにしています。
dr.stonefly
2009年01月17日 06:19
尭さん、「つながれ」のほうではコメントありがとうございました。個人的にちょっと疑問が出てしまってなかなか書き込めないでいます。すみません。

>貧困を生み出すシステムを変革することと、それは同時並行的に進めなければいけない

これはそうだと思います。
ご教示はできませんが、なんとなく考えたことを新たにエントリーしてみました。

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