「千石正一のミッション」(2)…外来種をブチ殺せ

 それじゃ(1)「なごや生涯学習フェア2008 みんなで考えるスペシャル講演会:なぜ、いてはいけないか~外来種問題と生物多様性を考える~」のつづきね。
 人間が他の「種」を移動させたパターンってのはいろいろあるの。あるの、って別にワタシが偉そうに言わなくてもいいんだけど、全部、千石センセイが言ったことね。
 アメリカザリガニが日本にやってきたいきさつは言ってなかったけど、もう今じゃ北海道を除いてニホンザリガニはいなくなってるんだって。ワタシが子どもの頃にはまだいたと思うんだけどね。でも、埼玉のあるところにはまだいて、それは以前、天皇にザリガニ料理を食わせるためにと従事の誰かが北海道からニホンザリガニをもってきたんだって。その生き残りがまだいるらしい。これなんかは元々いたとこに復帰させたんだからいいのかもしれないが(厳密にいえば拙いのかな)、どっちにしろ理由が人間の欲望だからねぇ。
 クマゼミなんかも、「クマゼミがシャァーシャァ鳴いてない夏なんか、夏じゃねぇ!!」ってことで西日本出身の議員がクマゼミを東京に持ち込んだから元々いなかったクマゼミが繁殖してる、っていってたんだけどほんとだろうか??とワタシはチラッと思ってしまった。
 そうそうツマグロヒョウモンって蝶ね。近年この辺でもよく見かけるんだけど、あれ食草がスミレなのね。で、パンジーが街に植えられるようになって街で増えたんだって。今じゃ田舎より街にいるらしい。
 そういえば、アメリカ大陸を発見したヨーロッパ人が牛をアメリカ大陸に持ち込んだんだけど、それで牛と一緒に天然痘もアメリカに入った。で、免疫のなかったインディアン(千石センセイは先住民とはいわずにインディアンといっていた…とツッコンどいく)が、天然痘でメチャクチャ死んでいるのね。こんなパターンも「種」を移動させた弊害ってわけ。

 あんまり紹介されたプチ知識ばかりを羅列していても面白くないので、そろそろ千石正一ミッションに話をすすめよう。
 はっきりは言わななかったんだけど、ビンビン伝わってきた指令、それは「外来種をぶち殺せ」ってこと。
 まず、オーストラリアにウサギが移植された話から始まるんだけど、もともとオーストラリにいたウサギっぽい在来種のビルディってのがウサギとの生存競争に負けてすでに絶滅寸前なの。で、オーストラリ人は車を走らせているとき、トカゲやヘビが道路を横断しているとスピードを緩めて轢かないようにするんだけど、ウサギがでてきたらスピードを上げてひき殺すようにしている、って千石センセイは妙力をいれて紹介するのね。ニュージーランドでは外来種のポッサムってのが在来種の鳥を食い倒す。それで、菓子のパッケージにポッサムの絵を書いて、これをみたら殺す様にってキャンペーンをうってるってのを紹介したり、ガラパゴスゾウガメの食う草を食い倒してしまうヤギをみつけたら殺すようにしているとか、日本でもあるNGOがミシシッピアカミミガメを捕まえては殺しているとか、外国産のクワガタが飼えなくなったら殺して標本にしろとか……、まあ、口では「ペットは絶対自然に離さないようにしてください」って遠慮していってるんだけど、外来種は殺して殺していなくなるまで殺しまくれ!!!って言いたいのがガンガン伝わって来る。
 日本人は情にもろいからだめだ。かわいそうじゃないんだよ。そこに放置しておくほうが可哀相な結果になるんだよ。今人類は岐路にあるのだ。この太陽が地平線にあって沈むのか昇るのか解らない写真を見給え!! 今はまだこの状態なんだ。これからこの太陽が沈むのか昇るか、飛行機が飛び続けるのか、墜落するのか。これからのみなさんの態度しだいだ。ええい、じれったい、殺して殺して殺しまくれ~!!

 はい、嘘です。こんな言い方はしてません。
 ただね、こう強く言いたいだろうなぁってのは、強く強く伝わってきました。

 でもさ、外来種を殺せ以前に、人間って金と欲に振り回されて在来種を殺しまくっているよね。泡瀬干潟でも他のあらゆる乱開発でもさ。さらには、金と欲のために「種」を移動させ倒している。千石センセイにしても「種」を移動させることは必ずしも否定していなかった。もちろん人間という種が、地球上のいたるところを移動することも棚上げ。そりゃそうだ。人間という種の移動を否定したら、千石さん自身が大好きな動物に会いにいく事ができないもんねぇ。ってそういう問題じゃないか。
 人間出現まえまでは、1000年に1種が絶滅で、人間出現後には1分に1種が絶滅で、それで地球号が墜落するなら、人間という1種が絶滅すれば完璧に地球号は飛んでいられるよね。これは意味をなさないのか?
 人間はけっして強い「種」じゃなくて、全生物の滅亡までつきあうことができないと言っていたけど、じゃあ「自然破壊」「飛行機墜落」の張本人である人間が絶滅した後の自然は、生き残った「種」が役割を分担していって墜ちかけた飛行機は再浮上できないのか?とかさ。
 人間が評価しない地球号の飛行は誰のための何のための飛行なの? そも人間が存在したって何のための飛行なの? ってのがこの講演会では欠落しているんだよ。ああこんな質問は意味をなさないか? 講演は1時間で終わっちまったから質問の時間も長かったんだけど、やっぱり、そんな質問でやしない。人間という種が絶滅しないためにどうするのか?ってとこから問題は始まってるのね。自然か不自然かわらかない人間の言う「自然保護」っていう不自然さはなんなんだろう?という疑問は棚上げなのね。この辺の思索なしに「外来種を殺せ」っていわれてもね。やっぱり何だかなぁ、って思っちまうよ。別に殺戮しまくるのに反対ってわけじゃないんだけど。

 やっぱ、質問するべきだったかな。
 「人間は自然なんですか? 不自然なんですか? 千石センセイは如何お考えですか?」ってさ。




おまけ:文脈から紹介できなかったプチ知識……、らしい

○外国産のクワガタやカブトの輸入が自由になる法律を反対したのはヤクザなんだって。もっとも自然保護の観点からじゃなくて、密輸してぼろ儲けできる「しのぎ」がなくなっちゃうからってのが理由らしい。
○下北半島に移されたアカゲザルは、しもやけでシッポが落ちてしまっているらしい。
○人はコメだけを食べて生きていける。米はヒスタミン酸なんとかを含んでいるかららしい。
○ニュージーランドは西欧人の出店で、ありとあらゆもんが西洋から持ち込まれた。西洋人が日本の樹木を好んだ時代があるから、たとえば「柿の木」なんかが、ヨーロッパ経由でニュージーランドに移植された。もっとも今では完全にシャットアウトらしい。
○牛乳はもともと大人が飲めるものじゃなかったんだけど、飲める様になったのは突然変異らしい。
○牛は草を食うのだけど、草を消化しているのではなく、胃の中にいて草を消化する菌を消化して生きているらしい。
○外国産のヒラタクワガタが屋外に離されると、在来種のヒラタクワガタの牝は外国産と結ばれようとする。こうして遺伝子汚染が進行するらしい。
○外国産のクワガタには、ついてくるダニの名前(和名)は「クワガタナカセ」。で、このダニがどんな病原菌の媒体になっているかわかっていないらしい。
○オーストラリアでは、持ち込まれた野良猫もモモイロインコなんかを食うって問題になっていて、野ネコも殺される運命にあるらしい。

 
「千石正一のミッション」(1)…飛行機地球号の運命
http://dr-stonefly.at.webry.info/200812/article_5.html

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この記事へのコメント

非戦
2008年12月16日 17:09
動物大好き、自然大好きの千石さんも1分に1種絶滅するのを嘆きながら、
>人間という種が絶滅しないためにどうするのか?ってとこから問題は始まってるのね。

そうですか。

>人間が評価しない地球号の飛行は誰のための何のための飛行なの? 
>そも人間が存在したって何のための飛行なの? ってのがこの講演会では欠落しているんだよ。 

そうか~生物を飛行機の部品にたとえても、あくまでも人間のための飛行機をいう発想だったのですね。
dr.stonefly
2008年12月17日 09:04
疑問やら不思議はワタシの思索です。
「自然保護」ってのはなんか不自然な矛盾を帯びていると思いませんか? 人間が生物の一種で自然ならば、わざわざ「自然」な人間が「自然」を保護しなくてもいい。でも、やはり「自然保護」は必要だと思うのは、もう人間が自然ではなく、メタの位置にきてしまっている。自然全体を見回せるのは不自然ですよね。不自然な人間がいなければ、保護しなくても自然は自然のままでいられる。
でも人間が不自然といえども、結局は、ここ1世紀のうちに人間も自然淘汰されていくという。と、するとやっぱり自然なのか?
うーん、疑問だ。
sutehun
2008年12月17日 15:34
人間の活動の果ての変化は自然環境の変異の一種ではないか、という疑問なのでしょうか。
仮にイエスだとして、であるから工業化の結果息もできなくなってしまう空気が望ましいかといえばそれは否なわけですし、背骨の曲がった石油臭い魚を食べたいのかといえばそれも否なわけです。
仮にノーだとして、であるから車を使わず徒歩もしくはせいぜい馬車で移動するべしとか言われたらそんなことはやってられませんし、夏にエアコンなしで団扇かあっても扇風機くらいでしのげとか言われたらそんなこともやってられないわけですよ。
今の快適さ・便利さを捨てたくないからこそ、『自然保護を』というのではないでしょうか。少なくとも私はそうです。

ただ、人類という種族がこれまでに存在した生物とはやや趣を異にした存在であることは確かであるとは言えるでしょう。
人間は自然なのか否か、という疑問は、過去に比較できる対象が存在しないからこそ生まれる違和感から来るものであるのかもしれませんね。
dr.stonefly
2008年12月17日 18:21
うーん、どうも快適さ・便利さと「自然保護」が相反するような気がしていて、自然がなるべく自然であるためには、あまり人間らしい行動をしないほうがいいような気がしてます。
でも、禁欲になれない自分がいて、それを認めないとダメなんですよね。わかっています。となると快適さ、便利さ、あと欲望なんかを守る為に、あえて「自然保護」を声高にいわざるえない。でも、声高にいう「自然保護」はやはり声だけになっていて、自然じゃない。根本的な解消は禁欲かもしれない。
でもできない。
そうこうしているうちに自然が壊れていって、便利さ、快適さどこではなくなっている。

人間はおもしろい不自然だな、としみじみと思っています。
2009年01月02日 17:08
どうもお久しぶりです。

千石さん、なかなか過激ですね。これからは意図的な生物の移入はやめましょうというのなら理解できますが、すでに入ったものを殺しまくれというのはどうも・・・。

外来種については、ブラックバスなどのように生態系のバランスを破壊している可能性が高いものは駆除する意味があるかと思いますが、そうでないものにあまり過剰に反応してもキリが無い気がします。セイヨウタンポポなども引っこ抜くのがいいんですかねぇ・・・。地球号の話で行くなら、日本在来のタンポポやザリガニと移入種は、似たような部品で代替可能「かも」しれませんし。それに、人間が持ち込まなくても、風や流木などで生物が大陸間を移動することも進化の歴史の中では起こってきているようです。

そしてなにより、外来種なら殺してしまえというのを推奨しちゃうことは、人間の精神にとってあまり良い結果を産まないと思います。
dr.stonefly
2009年01月03日 11:00
museさん、お久しぶり、おめでとうございます。
> 千石さん、なかなか過激ですね
すみません。講演では記事ほど過激な言葉はつかってません。私は「過激じゃない普通の市民」に対する遠慮があると感じましたが……(笑)
基本的に、人為による移動が拙いという主張だったようです。
記事では紹介しませんでしたが、「セイタカアワダチソウ」が見慣れて風景になっている、という会場の言葉に、「セイタカアワダチソウ」以前にそこに息づいていた在来種が駆逐された、と応えてました。
やはり、人為による移動種は殺していしまえ、と言っているように聞こえました。
dr.stonefly
2009年01月03日 11:00
>外来種なら殺してしまえというのを推奨しちゃうことは、人間の精神にとってあまり良い結果を産まないと思います。

結局ここなんですよね。人間の欲(精神)で移動させたものによって弊害がおきている。研究している人にとっては、けっして「のほほん」としていられない状態なのでしょう。欲という精神だけ許して、死をみたくないという精神は保護するという悠長なことを言っていると全滅だ、ってことだと思います。
千石さんは、も遠慮して「せめてペットを離すな」と言ってましたが…。

私は、やはり、自分勝手な人間そのものがなんだろう、って思ってしまいます。(笑)

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