「酷いことを言います」…絶対にありえない理由

 いきなりガクドーネタ二連発で、自分でも呆れ気味。しかも訳の解らぬタイトルだし。
 でも、これはこのガクドーだけじゃなくて、もうちょっと巾が広いことかなと思うから、いいや、書いちゃお。
 一昨夜、今年最初のガクドー役員会をもった。怪鳥初日ってわけだね。
 夢と希望だけがパァーと広がる会議ならいいんだけど、ほれ、なんといってもこのガクドーは「期中破綻」の危機にあるわけだし、可能性として指導員のクビまで考えなけりゃならないとこまできているので、ぱぁーと明るくばかりもなんねぇよなぁ。
 でも、救いだったのは、役員会で、怪鳥一羽が悩んでなくても、役員の皆が悩んで真剣に考えていたってことが判ったこと。別に見くびっていたわけじゃないけど、ベテランが大量卒所して、今年から「持ち回り」でやることになった役員会にしては、素晴らしい。
 で、何やかやと話し合っていたのだけど、今年から役員になったD君が話しはじめた。
 あの現実を計算したのみのド赤字「予算案」を穴があくほど見つめてきたんだろう。現状の分析、全ての可能性を話した。それで最後に言い難そうに言う訳だ「酷いことを言います」とね。
 「今の状況より酷いことはないから、どうぞ」と、軽い笑いを取りながら言う怪鳥。
 D君が話しはじめたら、みなの笑いがなくなっていった。つまり「酷いことだった」。
 「障害者のH君にひとりの指導員がつきっきりになってますが、その指導料を他の親が負担してます。その金額は少なくはありません」
 D君は、滅茶苦茶言い難そうに言う。D君は言わなかったが「H君に辞めていただくのも潰れずに済む方向のひとつ」ということを暗示していた。「学童の存続」を真剣に考えてきた末の発言だろうと思う。学童が潰れてしまえばH君が学童にくることも不可能なわけだ。でもね、D君自身、絶対に「H君に辞めていただくことなどあり得ない」と解ってて言っている。そのことが伝わってくるのさ。そう、そこにいた役員の一人たりとも、そんなことは絶対にありえない、と思っていたはずだ。

 「絶対にありえない」という皆の直感を……、何故「絶対にありえない」かを、すぐ言葉にして確認できれば良かったのだが、できなかった。怪鳥としては頭の回転が鈍いな。ふぅ。ちょっと、不意を突かれたからかなぁ。

 怪鳥は昨夜からピーヒョロロと鳴きながら、ずっと考えている。H君の顔が浮かぶ。もし、障害児のH君に辞めてもらうことで、ガクドーが生きながらえることが出来たとしても、ワタシはそのガクドーにいることができるのだろうか、ピーヒョロロ。
 きっと、ワタシもそのガクドーを辞めるだろう、ピーヒョロロ。
 何故、辞める。せっかく存続することができたのに。
 なにが拙いというのだ。
 ダメだ、そのガクドーはワタシの望むガクドーではないのだ。
 いや、既にガクドーですらないのだ。
 「絶対にあり得ない」理由は……

 つまりガクドーの根幹にかかわる問題だから。
 子どもーーー、この社会のなかで「弱者」を強いられている存在。
 そんな社会を許容してしまっている大人が「守らなければならない」存在。
 それがガクドーの本質。
 さらに言うなら「守らなければならない」さえ無くす存在。
 「弱者」を「社会的弱者」でなくする社会をつくる存在。
 でも、まだ「守らなければならない」のが現実。
 障害児のH君は、子どもよりさらに「弱者」を強いられている存在。
 子どもとともに「守らなければならない」存在。
 いや、分け隔てのない子ども。
 でも、一番「弱者」を強いられている現実。
 一番、ガクドーを必要としている存在。
 H君を切った瞬間、ガクドーはガクドーでなくなるな。
 そこはどの子どもも守ることは出来ない。
 「守る」ことを強いる社会を解体する存在ではなくなる。
 「存続」することの意味はなくなる。
 これがワタシの考える「絶対にあり得ない」理由。

 D君には感謝している。本質を考えさせてもらえた。さらに言うなら、非常にヤバい今の状況にも感謝かな。
 すぐに言葉にして、会議の場で確認できればよかったのだけど……。
 鈍いな。忘れずにいて今度言おうかな……。


 H君をみなが負担してガクドーで守ることができるのはワタシたちの「誇り」なんだって。



 「弱者」を強いて、その「弱者」を切り捨てて、切り捨てなければ存在できない社会など、いらない。

 
 

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この記事へのコメント

2008年04月11日 14:18
 障害児学童でも、合理化を阻む事情のあるお子さんの処遇が議題になったことがありました。弱者の中にもさらに弱者がいて、さらにまた・・・というのが世の中というものなのでしょうか。でも、やはり切捨てるという意見は出ませんでしたね。
kuroneko
2008年04月11日 16:17
一人は全員のために、全員は一人のために。「三銃士」の中にあると、むかし岩波少年少女文庫の『オタバリの少年探偵たち」という本で読んだけど…。

一人を切り捨てるのって、特定一人を切り捨てるにとどまらないんでしょうね。
さはさりながら人もお金も制約はあるわけだし。
うむ。
すぺーすのいど
2008年04月11日 20:17
深刻ですね。

弱者より弱者より・・・「あいつよりマシ」という価値観でしか自分を支えられない様に仕組む権力。許せない。

学童だけに子どもに対する優しさは長けているけど、指導員という弱者をやむを得ず使い捨てするは学童は少なくないと見受けます・・・
諸刃の剣
こんな冷酷な選択を保護者がせざるを得ない状況に追い込む名古屋市、松原を決して許さない。
dr.stonefly
2008年04月12日 05:46
tomokoさん、
役員会でも、誰も言葉にできなかったのですが、H君を切ってはだめだ、という空気は感じました。
これは「普遍的」な感覚だと、信じたい。
安易に切捨てるニホンだからこそ、せめてガクドーでは、と思っています。


kuroneko兄ちゃん
>一人は全員のために、全員は一人のために。
というのは、「三銃士」のなかの台詞だったんですか。ワタシはどっかのラグビーの監督の言葉だと思ってました。
これが人類で行なわれれば素晴らしいのにね。
せめてニホンという区切りのなかだけでも……


すぺーすのいど先輩
役員会をへてワタシ自身の深刻さは、ちょっと和らいでます。「深刻」を共有できたことかな。
今の拙ガクドーの状態は、ちょっとした社会の縮図ですね。今のニホンがそうです。社会的弱者を自ら作り出してその弱者を切る。
せめてガクドーではそうならないよう、頑張りたい。H君のためにも指導員のためにもね。
愚樵
2008年04月13日 19:00
会長、お困りのようですね。では、少し知恵をお貸しいたしやしょう。

まず、ガクドーの会報を発行しましょう。それも萌え系の。ガクドーたちの“そそる”姿を激写したグラビア満載の会報を。もちろん、外部の者には有料でお譲りするように。きっと購読希望者殺到ですゼ! 

んでもって、会報にスポンサーを募る。バカ売れの会報ですからね、んなものすぐに集まるし、スポンサー料も高騰間違いなし。購読料とスポンサー料でガクドーはウハウハになること、間違いなし!

文句を言うやつには、じゃあ、H君を辞めさすのか? 指導員を辞めさすのか? と迫ればいい。世の中、カネなんですよ、カネ。会長には大義名分がありやすよ、dr.stonefly会長。いや、失礼、毒多怪鳥でしたな、ガハハ! 


・・・自己嫌悪に陥りそう。

ま、これは極端にしても、今の世の中、トップたる者には「経営能力」が必要なんていうんだろうな。
名古屋っ子の親
2008年04月14日 06:07
しょうがいを持つ子の放課後生活が少数の善意者の負担によってようやく成り立つことに、子の社会の貧しさを感じます。
人として生まれたものが当たり前に人として地域で生活していけるような社会は、実現するのでしょうか?
dr.stonefly
2008年04月14日 09:00
愚樵さん、ありがとう(笑)
>・・・自己嫌悪に陥りそう。
いろいろとすみません。

解放……じゃないや、会報は考えています。
ただ萠系じゃなくて、ギャグ系ね。
保育園時代の「カイチョー通信」でも、そこそこ人気があり、ブログもそこそこ読まれているので、配布作業がうまく行けばそこそこいけるのかな、と甘い夢をみてます。ただし無償ね。スポンサーがつけばラッキーです。

>経営能力
これがあれば、貧乏フリーランスはやってません。
経営能力もないことはないかもしれませんが、面白くないので、やりたくない、ってのが本音です。
カネに執着がないのが自慢ですハハハハハ。

こりゃツブレルかな(爆)

dr.stonefly
2008年04月14日 09:02
〈追記〉
うえのギャグ系会報は、それの収益ではなく「新入所」の子どもを目指すものです。
dr.stonefly
2008年04月14日 09:06
名古屋っこの親さん
>この社会の貧しさを感じます。
だからこそ、せめてこのガクドーの親には、負担することが「誇り」と胸を張って欲しい。
ワタシにとっては、ブログで広くに訴えることも、リアルで周囲の親と確認していけること、両方ともやりがいのあることです。
大変さは、必ずしも大変なだけでない、ってことを今年の寄せ集め幹事会で確認したい。
dr.stonefly
2008年04月14日 09:24
名古屋っこの親さん
上で書いたことは、ちょっと違いますね。ごめんなさい。読み直して思いました。
ほんとうなら「誇り」と思う以前の問題かな。

おと~ち
2008年05月14日 11:49
一ヶ月も前のネタで(^^;m(__)m
ウチの子のいた学童では、障害児補助を受けながらも障害児世帯からは普通に保育料をもらっていました。これは、補助をもらった分で何とか指導員を増やし手厚い保育をするために、と了解をもらってのことです。ですから、逆にすごく失礼ながら障害児がいることで運営が成り立っている、と言うことでもあります。役員や親からは何も文句が出たことはありません。
おと~ち
2008年05月14日 11:55
深刻なのは、母子家庭の子。
本当に学童保育が必要なのは、一人親世帯ではないかと思います。必要なんだけど、保育料が支払えないという理由で学童を選べない、トワイライトに行くしかない、と言うのが母子家庭に多いようです。
こういった世帯のに対しては、保育料の減免だったり、母子家庭補助を受けたり、と言うことになります。
この時、母子家庭世帯の保育料減免分を他の世帯が支払うことになるわけです。
障害児の問題より、ある意味こちらの方が深刻ではないのかな?と思いますが、ウチの学童では特に議論の対象になったことがありません。それだけ、みんなが支え合っているという思いをもっているってことかもしれません。
dr.stonefly
2008年05月14日 16:12
おと~ち先輩
うん、基本的に障害児も母子家庭もできる範囲で負担のシェアをしあえばいいと思うんです。運営の危機にならなければ、ここまで追い込まれた発言はなかったのではないと思います。
>一人親世帯ではないかと思います。必要なんだけど、保育料が支払えないという理由で学童を選べない、トワイライトに行くしかない
おそらく今、行政が進めている一元化もこの辺りも理由にしていると思います。むしろこの辺りのデータをとって表示すればいい。
新しいエントリーにも書いたんですが、行政が真剣に「学校に学童をつくる」という方向でいけば、私は一元化に反対ではないんですけどね。まあ一元化以前に、補助金upというか学童の費用の全額負担をしてくれればいいんですけど。
おと~ち
2008年05月15日 11:11
運営の危機は、私も何度も乗り越えてきたことなんで、気持ちはよく分かります。
この話は、言い方は悪いですが、酒など酌み交わしながら、ってのがいいかも?ですね(^^;

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