「学校で野宿者問題の授業を」…問題の本質はきれい、汚いではないのだ

 とあるメーリングリスト(ML)に登録しているワタシのメールボックスには、毎日何通かのメールが届く。9条のこと、辺野古のこと、反基地のこと、国旗国歌強要に立ち向かう教師のこと、etc.……そんななか青カン(ホームレス)のことも混ざって届く。これに反応してしまう。どうも、青カンのことになると他の問題と微妙にちがう感覚になるのは、生の現場とかかわってきたからかもしれない。
 ちょっと前のMLで、青カン関係の記事で転載して紹介してほしいという依頼があった。
 意識している人が登録するMLでの紹介ではなく、不特定多数が閲覧する可能性のあるブログで紹介するのは多少意味があるかもしれない。と、いうこともあるが、改悪教育基本法に基づくという噂の「新学習指導要領」の「心の教育」に繋がることもあり取り上げてみたい。
 とりあえずは転載して紹介する。

■以下転載■

釜ヶ崎の生田武志です。
明日(8日)発売の雑誌「世界」(岩波書店)に、「学校で野宿者問題の授業を ―『極限の貧困』問題と教育の課題」という文章を書いています。
2001年から教育現場で「野宿者問題」を扱う意義を訴え、大阪市教育委員会 と交渉を続ける他、各地の学校・フリースクールで「野宿者問題の授業」を数十 回行なってきました。しかし、襲撃は依然として続発する中、「野宿者問題の授業」はごく少数にとどまっています。
今回の原稿の最後に、「野宿者問題の授業に関心のある方は、「野宿者問題の授業を学校で行っています」(http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/class.htm)にアクセスするか、野宿者ネットワークの携帯電話、090-8795-9499まで連絡をくださるよ うお願いします。」 と書いています。
みなさんのお知り合いの教員の方に、「こういう文章が出てるよ」と伝えて下さ ると大変ありがたいです。 また、学校などでの「野宿者問題の授業」もできる限り受けたいと思っているの で、要望などがあれば紹介をよろしくお願いします。

■以上転載おわり■


 文中では、授業で野宿者問題を扱うべき理由に「襲撃」を挙げているが、もちろん問題はそれだけでない。もともと、ワタシ達の生活が「ホームレス」つまり、昔からで言えば建築土木で使い捨てられた日雇労働者や今でいえば製造業などで使い捨てられるワーキングプアの犠牲のうえに胡座をかいていること、「労働問題」「差別問題」「基本的人権の問題」etc.……もっと深めれば「生きることの意味」まで多くの根底の問題や人間のとしての問題を含んでいる。大人でも無知、もしくは無視をして「勝ち組」などと言い放つものがいる現状では、問題の根本を授業で教える事は非常に重要で意味のあることだと思う。
 しかし、ここでも敢えて「襲撃」をとりあげてみたい。
 昔から今にいたるまで、少年少女のホームレス襲撃は絶えない。罵声から始まり、蹴る、殴る、投石、投缶、エアガンなどによる銃撃、ロケット花火の打ち込み、放火、放尿、リンチ、……、ホームレスが死に至るとニュースになるが、それ依然のものは闇から闇へ葬られる。周囲の大人も黙認し子どもを煽り、大人自身も襲撃に加わる。
 ここで思うのが、新学習要領(案)のなかに謳われている、「美しいものや気高いものに感動する心」である。こうした表面的な教育が、表面的に美しく(見えるもの)、気高そう(に装うもの)に騙され、表面的な感動を植え込まれるのではないか。ものごとの本質を捉え自然と美しく感動するものが、表面的に美しいとは限らないのだ。表面的な美しさを感動する表面的な心は、表面的に汚い物を敵とみなし、攻撃することになる気がしている。表面的で薄っぺらな教育の弊害と言えるだろう。
 青カンの表面が汚いのは、金銭的理由である。では、中身がきれいか?というとそうは言い切れない部分が多々あるだろう。そも問題は「きれい」「きたない」ではないのだ。
 「生きることそのものなのだ」
 きれいだから誉め、裏返しとして、汚いから責めるという薄っぺら感性を植え付けることなど教育とは呼ばない。
 その根本、本質を知りどう考えるか、と同時に、どう感じるか、ではないのだろうか?

 

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この記事へのコメント

ごん
2008年03月11日 08:00
♪弱いものたちが夕暮れ
 さらに弱いものを叩く
 その音が響き渡れば
 BLUESは加速していく

教科書に「リンダリンダ」を提案します。

♪どぶねずみみたいに美しくなりたい
 写真には映らない美しさがあるから
 もしもボクがいつか君と
 出会い話し合うなら
 そんなときはどうか……

音楽でも国語でも道徳でもいいから、教科書に「リンダリンダ」

世界中のみんなが愛の意味を知ってくれるように。バグさんも考えてくれないかな、愛の意味について。あたし「ら」といっしょに。

♪くそったれの世界のため
 すべてのくずどものために
dr.stonefly
2008年03月11日 12:37
はは、いいねぇ。
前、師範代のとこでやった「本」に引続き、教科書に載せたい「歌」ってのをやろうか(笑)
歌じゃ収拾がつかなくなるかもね。

多分ね、地面に穴を掘るように、現実面を掘って、思考を深めれないとバグさん、みたいになるのかもしれないな。バグさんをみていると人にとっての「生」の豊かさとか貧困さみたいなものを考えてしまう。
薄っぺらなバグさんが、この「スタジアム」(失笑)に登場することに無理がある、と言ってしまっては身も蓋もないか(爆)

dr.stonefly
2008年03月11日 12:45
と、思わず本音を漏らしてしまったけど、本当はこういう線引き、選民をしてはいけない、と自分にいいきかせている。だけど……、俺もまだまだ未熟だな。
愚樵
2008年03月12日 06:12
告白します。ワタクシも幼少のころ、"襲撃”した経験があります。悪ガキなかまとともに彼らのねぐらに忍び寄り、バクチクを投げ込んでダッシュで逃げた、なんてヒドイ悪戯を...。

でも、言い訳しますと、同じ人間だとはどこかで思っていた。そりゃ、低く見てたのは間違いありません。でも、殺していいなんて、ぜんぜん思ってなかった。考えてみたこともなかった。

大人になって、こうしたアンコたちを仕事で使ったことが何度かあります。どうしようもない人たちもいたけど、まじめな人もいた。それこそ、人生いろいろと思ったものです。いろいろな人生があって、その結果、いろいろな境遇があってもいいんじゃないか。広い意味で許容していたような気がします。

今の社会の雰囲気は、どこか違いますよね。妙に潔癖症になってる。許容の幅がとても小さくなってる。自分より低いもの、汚いものは拒絶する雰囲気が漂っている。これは、新保守主義に反対する左側にも感じられる雰囲気なんですよね。
水葉
2008年03月12日 09:51
「青カン」・・・ホームレスのことなんですね。外エッチかと思ってドキッとしました。(^_^;A

そういえば弟が小学生の時「襲撃」して、親と教師からこっぴどく叱られていました。私はこわくて近寄れなかったから、ジェンダー教育による差異なんでしょうかね?

西成の路上に居を構えるおじさんが、黒と赤の色鉛筆で見事な絵を描いているのに遭遇したことがあります。少し離れて見ていると少し目を上げ、また絵に没頭されました。まるで「仏師」のような雰囲気で、私は感動しました。
非戦
2008年03月12日 17:53
最近教育問題で、目を開かせてくれたのが、作家・橋本治の「日本の行く道」(集英社新書)です。ウヨクっぽい題名ですが、そんなことないです。昔は、家と学校以外のところで活躍?できる不良がいた、その不良はどこへいったのでしょうね?と言う感じで、書いています。とにかくいじめといびりの違いとか 子どもの自殺の話とか、いろいろそんな見方があるのか、という驚きをもって読めました。でも、橋本さんに同意できるかどうかは、読む人によって違うと思います。自由に読めていいです。江戸時代に戻れ、だの高層ビルを全部壊せなど、面白いですよ。それは違うよーというところなどもありましたし。
dr.stonefly
2008年03月12日 18:38
愚樵先生、襲撃はダメじゃないですか(笑)
襲撃のこと、アンコもいろいろも含めて、面白ので次のエントリーで取り上げてみます。

>自分より低いもの、汚いものは拒絶する雰囲気が漂っている。これは、新保守主義に反対する左側にも感じられる雰囲気なんですよね。
これなんなんでしょうね。私自身も最近「潔癖性」になってきたことを感じている。許容の巾が狭くなっているのかな。イライラしているといか、余裕がないというか……
dr.stonefly
2008年03月12日 18:40
水葉姫、ふつう青カンといえば野外で致すことだよね。ホームレスが青カンってのは業界用語かな。
その青カンね、実はワタシも怖かった。でも馴れると面白い世界でした。離れて時間がたつとやはり抵抗がある。「馴れ」ってのがあるのかもしれないな。あと「知っている」ってこと。

弟さんは、どのような叱られかたをしたかが興味があります。
なんとなく、本質と違う叱られ方をされた予感がして、側で聞いていたら「それは違うだろ」とツッコミを入れてたりして。
dr.stonefly
2008年03月12日 18:40
非戦さん、こんにちは。
その本しりませんが、読んでみようかな。面白そうですね。
ワタシは不良ではなかったのですが、今、学生に戻ったら不良になりそうです。この社会に対して「良」ってのは、相当鈍感です。
そうそう、ワタシも鈍感だったんだ。(遠い目)
水葉
2008年03月15日 12:15
>その青カンね、実はワタシも怖かった。でも馴れると面白い世界でした。

ど、どっちの青カンですか?(ドキドキ)

弟がどういう叱られ方をしていたのかは記憶にありません。でも、うちの親のことだから・・・(以下自粛)

親の差別意識や人権意識を、子どもはどこまで感じ取るものなんでしょうかね?日々の親や周りの大人の言動で差別を学び取っただけで、子どもの問題ではないように思います。
dr.stonefly
2008年03月16日 11:08
>な、な、馴れると快感だって~、
ってそんなこと言ってないか(爆)

「襲撃」については、「イタズラ」と「殺意」と分けて考えなくてはならないかなぁ、と思ってます。子どもの特性と周辺の大人(社会)の影響まで考えるとかなり難しくなっていくのですが……。(書きかけたエントリーが止まっています)

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