「大嫌いな学校、大好きな日本」…問題がわからない大人達

 少年は、与えられた卒業式の科白を言い換え「大嫌いな学校」と言った。
 周囲の従順な生徒は驚いた。いや従順だったのか? ほんとうに学校が好きだったのかもしれない。 それとも何も考えてなかったのか? 分からない。でも、驚いた。与えられた科白を言わなかったことに……。
 少年は、卒業式のあと校長から尋ねられた。いや咎められた。
 「なんであんなことをしてしまったの」
 校長は何もわかっちゃいない。
 「なんであんなことをしてしまったの」
 の答えが、少年にあると思っている。
 「なんで『君は』あんなことをしてしまったの」
 かで、自らを振り返ることはない。
 校長は少年ついて語った。
 「普段の行動に問題はなかった」……
 校長は自分に問題はないと思っている。
 校長は続ける。自殺した理由について
 「わからない」と……。
 この校長には一生分からないだろう。

 「大嫌いな学校」
 少年の言葉に驚いた生徒たち。与えられた科白を従順に受入れる生徒たちは、「大好きな学校」と抵抗無く言える生徒たちは、この問題のない校長の問題のない教育のなか、ほんとうのことに気づくことがあるのだろうか? 少年の死のむこうにある、「ほんとうのこと」を考えて欲しい。

              

 学習指導要領が再度塗り替えられた。
 しかも、ワタシが意見(パブリックコメント)した箇所ずばり。完全に無視された。ケンカを売られた気分。
 「伝統と文化を尊重し、それをはぐくんできた我が国と郷土を愛し」


 この学習指導要領に基づき、従順な校長によって子どもたちが教育される。
 子どもたちには、決められた科白が与えられる。
 「大好きな日本」
 与えられた科白を言い換えて、少年は言うだろうか?
 「大嫌いな日本」
 校長は咎めるだろう。
 「何故そんなことをいうんだい。そんなことを言っては駄目だよ。日本のすばらしい伝統と文化を尊重しなければ駄目だよ。これは政府によって決められたことなんだから」
 少年は答える。
 「言い間違えました。死んでお詫びをします」
 校長は首をひねって言うにちがいない。
 「なぜ自殺したかわからない。普段の行動に問題はなかった」
 普段の行動に問題はなかった。
 普段の行動に問題は……
 問題は……。
 問題はない……、の正体は、この校長に従順であること……。
 この校長に逆らうことは、問題のあること。
 問題がないのは、「大嫌いな」を殺して、「大好き」になること。
 自分の心に嘘をつくこと。
 決められたから「大好き」にならなければならない。
 それが問題のない子ども。
 問題のない大人。
 
 問題のない校長によって、問題のない子どもが作られていく。
 問題のわからない国家によって、問題のわからない子どもが造られていく。

 国家という名の確信犯……

 造られる従順なスレイブ……

 反吐がでる。
 
 
 

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この記事へのコメント

KUMA0504
2008年03月28日 10:21
「死んでお詫びをします」
自殺した政治家を見なくても、本音と建前が剥離している。普段の素行も、忘れ物率とか、宿題の提出率とかで管理される。将来をまじめに考えれば、考えるほど生き苦しくなってくる。

精一杯背伸びをした子供には、世界はこのように映っていたのかもしれません。

かなしいです。
dr.stonefly
2008年03月28日 11:51
KUMAさん、こんにちは。
ほんとうにやりきれな思いです。
真相は分かりませんが、利発だったというこの少年が「うそ」を見破っていたとしたら、そのうえで「大嫌いな学校」が、純粋なるがうえの精一杯の反抗だったとしたら、そして「ウソの化身」である校長に「間違って言ってしまいました」と屈してしまった自分に対して「死んでお詫びをします」だったとしたら……。少年自身そんな理屈を考えていたわけでないにしても、彼の心の混沌のなかで「うそでこりかたまった世界」が生きる価値のないものと映っていたとしたら……。

ほんとうにやりきれません。
馬鹿な母親
2008年03月28日 13:39
本当に大事なことは
他人からどう見えるかではなく、
自分がどうあるべきかなのに…。

私の母親は、
近所の人に『いいお母さんね』
と言われることに精一杯だった。
自分の娘に『いい母親だ』
と思われることよりも。

形ばかりが立派で中身がすっからかんな
日本です。
安倍元総理の理想とした
『美しい日本』は
きっと、『外見が美しい日本』
の間違いでしょう。
dr.stonefly
2008年03月28日 16:06
馬鹿な母親さん、はじめまして。
>大事な事は自分がどうあるべきか…
ほんとうですね。
人間というのは表面を飾って、ほんとのことを自ら誤摩化してしまうものかもしれません。
美しい日本は形も立派ではなくなり、既にほころびかけている。あわてて、「美しい」と教育で刷り込もうとしても、子どもたちにさえ見破られるでしょうね。
でも、見破ったことで子どもが犠牲になっては駄目だ。
やはり大人が「ウソ」と闘わなければ、と思っています。
mahounofuefuki
2008年03月28日 22:14
 こんにちは。TBありがとうございます。
 「大嫌いな学校」と言うのに命を賭けざるをえない世の中になってしまったのですね。国家は学校教育を上意下達の一方的な命令系統で拘束しようとしています。私が高校時代、当時の校長は地元の公立校で1人だけ「君が代」を卒業式に演奏するのを拒否しました。当時はそれでも解任されず無事に定年まで在任できましたが、今はもう不可能。子どもを教師が拘束し、教師を校長が拘束し、校長を教育委員会が拘束し、教育委員会を文部省が拘束し、文部省を自民党が拘束する。八木秀次は次期天皇に皇太子を廃して秋篠宮を推しています。天皇すらもその秩序からはみ出すのを許さないわけです。教育基本法を復旧させないともう手遅れになりかねません。背筋が凍る思いです。
dr.stonefly
2008年03月30日 03:36
mahounofuefukiさんコメントありがとう。

>「大嫌いな学校」と言うのに命を賭けざるをえない世の中

ほんとうに、哀しいことです。
この少年は純粋だった気がします。「大嫌い」と感じるの自分だけで、この孤立した環境では生きていけない、と認識しないまま感じたのでしょう。命を賭けて言うという決意もなかったかもしれない。ただ絶望していたとしたら…。
「『生』というのはそうじゃないんだ」と教えるのが教育なのでしょうが、この校長は教育が解っていない。
しかし、こういう人たちが教師として優秀という評価をうけ、コメントで教えてくださった気概のある校長が切られていく。
ほんとうに、ワタシたち大人の責任は重いと思います。
初心者パパ
2008年04月05日 13:38
初めまして。
こういうニュースなんかがあると、最近の子供はどうだとかいう親がいます。小4の息子を見て、ただ遊びのアイテムが変わっただけで、子供の本質はなにも変わってないと感じます。変わったのは子供じゃなくて、大人であり社会ではないんでしょうか。
前の方も書いてましたが、自分がどうあるべきかが大切。僕もそう思います。
ただ、自分自身をしっかりと保つということは大変な時代になったと思います。

朝、小鳥の鳴き声で目覚め、窓を開け、清々しい朝の空気で深呼吸をし、食卓で家族の談笑に微笑みながら、美味しい珈琲を飲みつつテレビをつける。そこに流れるのは過剰に演出された事件の数々。「世の中はどうなっているのでしょうか?」を連発する登場人物。眉間に皺をよせ憂鬱になる家族。その気分のまま一日を始める家族。

そういう日常の中で、自分自身をしっかりと持つことは大変であるが絶対に必要なことだと感じます。

なんか、何言ってるか解らなくなりました。まとまりのない文章になって申し訳ありません。そして最後まで読んでいただいてありがとうございます。
dr.stonefly
2008年04月06日 12:19
初心者パパさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
同感ですよ。子どもは変わってないのでしょう。社会がね変わってきているのかな。

>テレビをつける。
うーん、ワタシもそうですが、この辺りの習慣がまずいのかなぁ。清々しい朝に、テレビはいらないのかもしれませんね。でも、不安になる。あれほどウソ八百を演出付きで垂れ流しているテレビなのに。テレビをみないと不安になってしまう。病気ですね。
この毒された自分をちゃんと振り返りたいと思っているのですが、なかなか難しいと感じています。

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