毒多の戯れ言

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zoom RSS 市民社会の不条理からの解呪…中島みゆき「ふたりは」

<<   作成日時 : 2016/08/18 11:26   >>

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東京都知事選から始まる中島みゆきである。
なんのこっちゃと思うだろうが、ワタシにはワタシの物語があるのだ。
選挙後は知らぬ存ぜぬ誰も責任なんかとらねーよの、東京都知事選が大騒ぎされていた頃に遡る。
いくらワタシが都民外民としてもあれだけ騒がれれば少しは耳に入る。
それにしても、、、小池に鳥越、、、絶望的だな関わりたくない・・・都民外民だし、、、
そういえば、ずっと昔、都民外民なのに都知事選に乗っかってブログネタにしていたなぁ、とため息のプチ過去を思い出していると何かひっかかるものがあり、それが気になって仕方なくなった。
蜘蛛の巣だらけの枯れかかった記憶を少しずつたぐり寄せるが微かな残像しか思い出せなかった。
それでも残っている強烈な残像をヒントにぐぐって外部記憶から引き出したのが外山恒一。
胸のつかえがおりて、youtubeで例の政見放送を再度見る。

・・・今時政治犯として2年投獄され・・・爆!!・・スクラップ&スクラップ・・・やつら多数派はやりたい放題だ・・・・選挙で何かが変わると思ったら大間違いだ・・・選挙なんか多数派のお祭りだ・・・多数派のための改革なんかいくらやってもダメだ・・・こんな国は滅ぼすしかない・・・ワタシが当選したら・・・奴らはビビる・・・私もビビる・・爆!!!!!!

都知事選のお祭りをみながら少数派として再度わらったわけだが、「毒」を吐き散らしている。少数派からの「呪い」である可能性を見逃してはならない。ただはたして少数派の「呪い」が実効性をもつものか?
youtubeには政見放送の他に外山恒一の「トークライブ」なるものがupされていた。1時間44分、、、長い、、、それでも観てしまった。
外山恒一は意外と真面目でおもしろいことが解ったのだが、今回はそのネタでないので詳細は書かない。そのトークライブのなかででてきた名前の「呉智英」があったわけだ。

それから数日後、ブログネタにもした「狐笛のかなた」を読み、著者上橋菜穂子の他の作品がないものかとBOOKOFFへ行くと、上橋菜穂子の作品は新品のものの2割引きの値段程度のものしかなく、それならば印税をおくれる新品を買おうと上橋菜穂子は諦めて、他のコーナーを物色していると、108円〜200円コーナーでふと目についたのが“呉智英”「バカにつける薬」108円だった。呉智英?どこかで聞いた名前だな、と首をひねる。と、外山恒一の「トークライブ」であることを思い出した。(どうでもいいが池田あっこの「考える日々」というハードバックが200円だったのでそれも購入、未読なのだが、、、)

外山恒一からの呉智英である。
この本はバカ“批判”が展開されていて、どうでもいいやん、と思いながらツラツラとページをめくっていくのだが、なんとなく先が気になり読んでしまう。と、とつぜん、あああああ、ついにきた古本の罠、、、鼻血だか、チョコの欠片が溶けただかの染みが広がるページで集中力が途切れてしまった。いっそ読むのヤメテしまおうか、とふと残りのページをざっくりパラパラと捲ると、めについた「中島みゆき」の文字。どうやら呉智英は中島みゆきが好きなようだ。汚れたページを触らぬよう考えぬようやり過ごし、結局全部読んでしまった。

と、ここまでが東京都知事選から中島みゆきに至る物語で、つまり前置きなのだが、書いているうちに疲れてしまった。とはいえ本文なしの前置きのみで終わるわけにはいかない。
あ、ちなみに呉智英の中島みゆき評は、「中島みゆきは、歌謡曲、演歌、恨歌の延長だ」という評価(「生活とくらし」や「宮川泰」)に対する批判で、中島みゆきの歌う「愛」は、戦後からつづく歌謡曲のゲマインシャフト的な社会関係家族関係的な愛ではなく、社会的家族的ゲマインシャフト的な無自覚な愛を脱した、近代的、市民的、個人的、自我にある愛を歌うニューミュージック的なものでもないと言う。ゲマインシャフト的から進んだ近代的自我だろうが、なんの検証もなく無自覚にそこに埋没してしまえば同じだ、と。中島みゆきの歌う愛は自我の発現である、・・・まとまらないので、、以下引用。

中島みゆきの歌に書かれた愛は、自我の発現である。新興音楽(ニューミュージック)が、古い歌謡曲の伝統的様式を打ち破って無限に発現させていくように見えながら、実は市民社会という壁につきあたることによって発現させることをやめた自我を、中島はとことん発現させた。凡百の新興音楽(ニューミュージック)がともに近代がうんだはずの市民社会と近代的自我との相剋が近代そのものに亀裂をもたらすことを巧妙に回避して、古い歌謡曲とは別の様式を作ってその中に安住しているのに較べ、中島みゆきは、まず、自我を徹底的に発現させることから始めた。

呉智英のこの項を読みながら、なぜか無性に中島みゆきを聞きたくなったのだが、浮かんだ曲が「ふたりは」(アルバム夜を往けより)である。
(残念ながら、youtubeではcoverしかなののだけど、歌詞がテロップされているし、歌も聴きやすいので採用、写真のイメージはちょっと違うのだけど、、、笑)



この歌をききながら人はどこに感情移入するのだろう?
主人公は「【健全】な市民社会」から弾き飛ばされた女と男である。
曲のききての多くは「【健全】な市民社会」の住民だろう。
♪まじめに働く者のためにある社会♪の一員と胸を張っている。
一旗揚げようとする者を妬み、失敗すればこれみよがしに口撃する。
だって真面目に働く者たちの「普通」の町だから・・・
「【健全】な市民社会」から掃除される女と男は、たとえばキャバ嬢でありホームレスであり生保受給者であり在日外国人であるのだろうか、、、
言葉の意味もわからず「バイタ」と罵る子ども。世代をわたる呪いの連鎖。
みずから縛られにいく「【健全】な市民社会」から実は呪われている自覚もなく、
♪近寄るんじゃないよ、病気かもしれない、耳を貸すんじゃ無いよ「呪いをかけられる」♪
と、【システム】を守るため、標的をみつけては呪いをかける。

♪緑為す春の夜に
ふたりは凍えきってめぐり会った
与え合うものは何も残ってないけれど
もう二度と傷つかないで♪


不条理からの解呪、、、中島みゆきの愛はここにある・・・

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『バカにつける薬』は、僕の買って読んだ覚えがあります。購入金額は103円だったかな?w 何年か前に「自炊」してテキストデータになっていると思うのですがww

中島みゆきは

・歌謡曲、演歌、恨歌の延長
・自我の徹底的発現

両方の指摘とも、僕は当たっていると思います。というより、片方しか当たらないという感性が僕にはわからない。だって、【恨】(【毒】あるいは【怨】)の、“徹底的”発現は、「自我」以外にありえないじゃないですか。

他者の欲望を我が欲望とする(社会的家族的ゲマインシャフト的)うちは、他者と「同」なんだから「我」もないし、「我」がなければ、共鳴も共感もない。【恨】であれ【毒】であれ【怨】であれ、そこに共感できるのは「我」があるからですよね? 

【恨】や【毒】や【怨】を見据える者は、それが個人的な経験でしかなく、他者とは共有不可能なことを識っています。だから、しばしば

 私の気持ちは誰にもわからない!

なんて、不毛なセリフを口にしてしまう。ところが、なぜかそれに共感するのがヒトというやつです。不思議ですけどね。

あちらのコメントに書きましたが、中島みゆきには、そういう共感力への信頼が強くあると思います。
愚慫
2016/08/18 13:23
103円ですか、、、消費税3%の頃に買ったのですね、笑
とするとかなり以前で覚えてないですかね?

で、なになに、どうゆうこと? 歌謡曲のゲマインシャフト的な一見、他律的な愛、だろうが、その後のニューミュージックの近代的自律的な愛だろうが、、愛の由来に関係なく、実際に感じたり恨んだりするのは「我」ではないか、「我」以外にはない、ということですか?

この論も呉智英がしているもので中島みゆき本人がしているものでもないし、中島みゆきは歌謡曲的、ニューミージック的か、さらに自我の深層に迫るか、なんて考えてはないでしょうね。おそらく中島みゆきの歌が、好き、嫌い、ということなのかもしれない、笑。中島みゆきが好きな自分は歌謡曲的ゲマインシャフト的でもないし、ニューミュージック的でもない、もっと深いのだ、ということかも。
中島みゆき好きなワタシは呉智英にちょっぴり共感しますが、、ワタシの場合は歌謡曲もニューミュージックも好きだからなぁ、笑。

中島みゆきって、結構好き嫌いが分かれますよね。こんどこの論にそって不特定多数に質問してみようかな? 爆!!!
毒多
2016/08/19 16:53

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