毒多の戯れ言

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zoom RSS 狐笛のかなた

<<   作成日時 : 2016/08/09 13:08   >>

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上橋菜穂子著の「狐笛のかなた」を読みました。
訪問先のブログで立て続けに紹介されていましたからです。
そのひとつに呪いにまみれた大人にとって解呪のヒントになる、とありましたから……。

読み終わりました。
人の業、社会の業をみました。
敵を造り出して自己を確認する。
敵をつくること、敵を否定することによってオノレのアイデンティティを確立する。
敵認定された者もまた、した者を敵とする・・・・
不毛です。
敵をつくりだすこと、敵を認定することが呪いです。
呪いによって自己を確認し、アイデンティティを確立する。
人は、それがまるでデフォであるかのような社会に産み落とされます。
呪われた社会です。そうした一面は消えることなく在ります。
少なくない人々は、みずから不毛へと突き進んでいきます。
国家も、ISも、嫌韓も、反アベも、ヘイトスピーチも、女闘士も、ネットのあれこれも、・・・やめましょう、
こうして例を上げることでまた呪いを呼びます。あらたに敵認定する(呪いをかける)人々がいることを知っていますから。
他人事ではありあせん。ワタシもまた、そうした社会に産み落とされ、敵認定することで安定しようとしましたし、自己を見出そうとしました。
解けることのないスパイラルの渦中にいました。

でも、正直に言えば、いくどかそんな自分に気が付きました。不毛に絡み取られた自己です。
気がつき俯瞰できた時は安心しました。
呪縛から解放されたと感じました。
でも、ずっとその平安を保つことが出来ない。
こんな社会です。あらたに呪われることで毒が生成され、呪い返してしまう。
敵認定です。
でもそれは必ずしも呪いをかけるものが悪いとも言い切れません。
敵認定するのはオノレですので、敵を捏造する裡なるものこそが真の「敵」であるのは道理です。
真の敵はオノレのなかにありあます。
裡なる敵を自覚しなければ、平安はないのでしょう。

この物語を読み終わり、小夜と野火に教えられた気がします。
二人の最後をみていると落ち着きます。懐かしいおちつきかどうか、は解りません。
ふたりの存在を感じることで目をとじたくなります。
狐笛(呪)のかなたにいたったふたりを


あまり読後感想文ではなくなってしまったので、
知らずしらずにページの端を折っていた箇所をメモ代わりに記しておこうと思います。



哀しみや心の傷を封印するなどとんでもない。と、怒った。そんなことをすれば心が空ろになる


からみついた枯れ草を焼いてしまわなければ、畑は生き返らない。
わたしだっておなじことだ。心にからみついている思いをほっておいたら、きっと、いつまでも、このもやもやは消えない。


もともと霊狐は、人の自由になるモノではない。おそろしい力をもった霊狐を狐笛ひとつで縛りつけるために、呪者は、さまざまな防御の術をほどこしているという。その術のせいで、いつしか精気をうまわれていくのだろう。絶大な力をもちながらも、呪者が、滅びていったのは、たぶん霊狐を使うような術は、人の身にあまる術だからなのだ。


「うまくいえないけれど、花乃さんなら、兄さまみたいに、霊狐と人が結ばれることの危なさをがなりたてるのじゃなくて、そうなってしまった思いを、抱きしめようとするんじゃないかって」

怨んでもときはもどせません。この先を、変えることしか、わたしたちにはできない……。

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コメント(2件)

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なんてコメントすればいいかな、としばし自分に問い合わせてみて、浮かんできたのは、

「ありがとう」

でした。

抜き書きされたところが響くのは、僕も同じ。そういうのを、〈悲〉と書き表すことにしていますーーというのは、僕の都合ですけど (^^;
愚慫
2016/08/09 14:23
いいえ、ワタシのほうこそ素敵な物語を紹介していただいたお二方に感謝します。
ありがとう。

>〈悲〉、、、ですか?(笑)

いまのところ、ワタシは漢字一文字で言い表すにいたっていませんが、深みのある優しさが伴っているように、ワタシには感じられました。
毒多
2016/08/09 14:43

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