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10年ひと昔と言うが、20年だとふた昔なのかな。セピア色の記憶も色褪せて透き通るほど昔のような気もする。というわけで、約20年ぶりにスキーをした。まさか、またやるとは思っていなかったのだが……。 おもえば、青カン支援の市民運動がいそがしくなったころ、スキーのようなブルジョアチックなうえに、自然破壊なことは2度とやらない誓い(何に誓ったんだったっけ?)ながら、グリーンメタリックが美しいロッシの7S(スキー板)を涙ながらにへし折って葬ったのだ。NORDICAのブーツもウェア一式も全部全部何ひとつ残らず葬ったのだ。♪これで青春も終わりかなぁ〜♪と薄笑いを浮かべながらね。 きっとね、死と隣あわせである貧乏な青カンを「支援」することと、オノレの生活との『心理的整合性』を保とうとしていたに違いない。今だってそういう気持はある。派遣切りされた人々のことを思うと、スキーなんかやってる場合かよとも思う。なんてストック、あ、いや、もとい、ああ、ほんとにオレっちは、なんてストイックな奴なんだ。と、こんなストイックな奴のはずだったのだが……。 ロッシ7Sを葬ってからの20年という長い歳月のなかには、スキーに関する出来事もいろいろあった。 久しぶりに見た知人が車いすに乗っている。理由を聞くとスキー場での接触事故で頸椎を破損し、身体が麻痺してしまったと言う。正直にいって、その姿をみたとき戦慄が走った。またまた、遊びに来た嫁はんの友人は久々のスキーで、しかも1本目で右膝の靭帯を切断し、救急用スノーモービルで運ばれたと笑っていた。突然スカートをまくるのでドキっとしたが、右膝下にゴッツいサポーターが巻いてあった。 くわばら、くわばら、桑原和男、オイラはそんなブルジョア且つ自然破壊なうえに、危険極わりないお遊びは既にやめたのさ〜、と安心を「言い聞かせて」いた。 さらに厳しい状況として、以前このブログでも書いてしまったが、ある勇猛果敢な事故(子どもの運動会なんだけどぉ)がきっかけで左足裏の靭帯を伸ばし、医者から「スポーツ禁止令」が出た。まあ、あっさりと医者の忠告を無視してwiiスポーツなどしたため、その後2度ほど古傷の靭帯に激痛が走り歩けなくなりmy松葉杖を購入しているのだ。ほんと懲りない奴。 それがである、何故またスキーやってしまったか。いっくらここ1年くらいは松葉杖を使ってないと言っても……、腰にもアキレス腱にも各種靭帯にしても、怠けきった全身は不安だらけではないか。ストイック依然の問題としてこんなメタボがスキーなんてできるのかよ。 それでもやったのだ。マジ、メタボに負けずやりました。原因は息子である。息子がスキーをはじめたからである。最初は友達の家族に連れられて行った。まさか、息子に「君ねぇ、ガザやアフガンの子どもたちの事を思うとスキーなんかやってられないだろ」とストック、、あ、ちがうストイックを強要はできない。それと接触事故や靭帯損傷が頭に浮かんだが、心配しだすとキリがない。何でも経験という意味では歓迎することだしね。ところがである、息子がスキーを始めただけならまだしも、嫁はん連中が数家族合同スキー1泊ツアー&温泉三昧ツアーを組んでしまったのである。 子どもたち&父親はスキーをし嫁はん連中は温泉につかる、というツアー。……ここで苦悩が始まる。息子と一緒にスキーを楽しむか、スキーを横目でみながら温泉へといくか…。ふぅ、温泉は好きなんだけど、息子と一緒にスキーをやるなんてそうは機会がないかもしれない。いや、そうじゃない。自らの本心に背きストイックを強要した若く純真だったオイラの、そうあの真っ白な胸に、へし折った7Sの亡霊が胸に刺さったまま成仏できずにいるのかもしれない。ああ、胸が痛む。 でも、接触事故が…、靭帯破損が…、松葉杖が…、いやいや7Sの亡霊が…、NORDICAの祟りが…、でもでも息子との時間が…、それよりも何よりも、風を切って滑りたい!! 風になりたい!! はっきり言おう、オイラはストイックでもストックでもないのだ!! スキーがすきーなのだ。風になりたいのだぁぁぁぁあああ、はぁはぁはぁ。 というわけで、世紀の大決断をすることになった。根っから適当な性格である。自分でも呆れる。 仕事をすべて終わらせて、my松葉杖を持ち(実際に詰め込むスペースがなく置いていったのだが……)、二度と歩けなくなる覚悟(←マジ)をしてツアーへでかけたわけだ。 当然ながら全てレンタル、板もブーツもウェアも……、ああ、あの時、葬っていなければ……。って、あの頃のサイズが着れるわけないだろ!! 取り敢えず子どもたちはスクールへ入れて、父親連は、短いリフトに乗って、短いゲレンデの頂きに立った。おお懐かしの風景。ちょいとびびりながら、嫁はんの友人の右膝のキレた靭帯に背中を蹴られて運命の一本目。おおおお、ゲゲゲ、滑る、滑る。どうやって曲がるんだったっけ? と考えている間にどんどん加速していく。ガガガとエッジを立ててスピードを殺しながら右に左に回りながら接触も靭帯破損もないまま下まで降りれた。ヤバい、楽しいぞ。それに、意外と身体は覚えているものだ。 4-5本滑ると感覚が戻ってきた。しかも昔より上手くなった気がする。一緒にいったスキーベテランの父親に聞いてみると、カービングスキーといって昔の板よりも曲がりやすくなっているってことだ。いやね、ホント上手くなってるよ、こりゃ。メーターの7Sで苦労していたターンも、いとも簡単にキュッキュッと曲がれる。おお、うぇーでる、ウェーデルン〜、ラリラリホー、と楽しくなってしまった。さすがに上村愛子ご所望の絶壁のサディステックなギャップは自嘲したが、ギャップのない急斜面をガァーとスピードに乗って風を切るのは快感である。ああ楽しいじゃあーりませんか、ストイックよいずこへ〜、などというギャグまででてくる始末。 長い急斜面を直滑降にちかいシュプールで落ちて行くと、周りの景色が消え、体中の力が抜けていった。一瞬、凍てつく空気に溶けた気がした。ああ、今、ボクは風になった? 若かりし頃の楽しく悲しい心象が風となって溶けていった…… 昼からはスクールを終えた息子と一緒に滑った。 小さい子どもはすごいな、スキー2日目で結構ボーゲンで降りて行く。グルグルと大きなシュプールを描いて降りて行くのだ。 緩斜面を何本かを一緒に滑っておりてきたが、けっこうしっかりしたボーゲンだった。それで頂上までいこうか、と聞いたら、ちょっと躊躇しながら「とうさんが行くなら」と言うので連れて行った。 やや傾斜のある斜面も長いゲレンデも止まることなく、ノンストップで滑り降りて行く。上のほうから見ているとやっぱり身体が小さいのだ。他の大人のスキーヤーと比べてずっと小さい。小さい身体がハの字に板を広げて一生懸命滑っているのだ。いつまでも、どこまでも、豆粒になるまで振り返ることなく右に左にくねって滑っている。それを見つめていると、なぜだか感動してしまった。理由はわからない。ただの親馬鹿かもしれない。ただ、表情が見えないのに一生懸命ってのが解るのだ。大きくなったといってもやっぱり小さな身体で、めいっぱい力を入れてね。ほんとしゃにむに滑っている。感動のあまり涙しそうになってしまったぞ。 豆粒大になった小さな身体を目指して、ガァァアと滑って、アッというまに追いつき前に回り込むと真剣な顔が見えた。 二人でロッヂのまえまで一気に滑り降りて「すごくうまいねぇ」と言うと、緊張した顔を崩し満足げに笑っている。この笑顔、ちょっと今迄と違うぞ。なんか誇らしげに嬉しそうだ。これが山頂から小さな背中がずっと放っていた何かかな。この背中と笑顔は忘れられないな。 しかしなぁ、困ったな。 息子はまた行きたいと言っているし、オイラ封印していた楽しさを取り戻しちまったし。 腰も膝も背中も靭帯も異常ないしなぁ。 金がないんだよ、金が。どないせい、ちゅうねん。ほんとにもう!! ふぅ。 |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
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スキーは「直滑降」だ続
実践編スキー板はそもそも真っすぐ進むようにできている。わざわざ「斜め」に滑るのは、高等技術。漢字の「木」より「板」を先に習ってどうするんだ?…というのが、「ハの字」から始めない理由。直滑降から始めるメリットは、とにかく「本数」をこなせる。一日券の元を取... ...続きを見る |
ストップ !! 「第二迷信」 2009/02/10 23:37 |
〈生活世界〉と〈システム〉と「保守」 最終章 〜 主意主義(右)を賞揚する 〜
主意主義(右)においては、「自己決定」がポイントになります。 国家のごとき歴史なき人工物への「依存」を退け、国家のごときものを単なる便宜として使いこなす「自立」を賞揚するので、「自己決定」を重視する立場になるんですね。 (シリーズとしてはこちらの外伝.... ...続きを見る |
光るナス 2009/02/11 10:56 |
【日記】映画「オハイエ!」、きっこさんへの意見メール
折角のお休みなので、Up。先日、「オハイエ!」を見ました。浅野史郎さんがエグゼクテイブプロデユーサーをしています。官僚時代に出会った障害者のかたがたの世界が、その後の浅野さんに大きな影響を与えたということでしょう。どこにどういう出会いがあるか、わからないものです。 ...続きを見る |
散策 2009/02/11 19:04 |
【自生的秩序】のイメージ(2)〜『めぞん一刻』
めぞん一刻 (1) 高橋 留美子商品詳細を見る絵に描いたように安直な【自生的秩序】のイメージ、その2。今回は、文字通り絵に描かれたものを 。... ...続きを見る |
愚樵空論 2009/02/14 08:17 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
とてもいい話しですネ |
おしだき 2009/02/10 13:59 |
いい話だね。思わず目頭が熱くなっちゃった。>豆粒 |
水葉 2009/02/10 15:30 |
おしだきさん |
dr.stonefly 2009/02/10 17:22 |
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dr.stonefly 2009/02/10 17:23 |
あはは! 笑ってしまいました。 |
愚樵 URL 2009/02/10 18:26 |
ふふふ、 |
×第二迷信 URL 2009/02/10 23:36 |
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dr.stonefly 2009/02/11 08:24 |
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dr.stonefly 2009/02/11 08:25 |
いやぁ、いいっすねぇ。 |
アキラ URL 2009/02/11 10:14 |
おー、滑れましたか・・・ |
すぺーすのいど URL 2009/02/11 23:55 |
>こんなもんですか? |
愚樵 2009/02/12 05:06 |
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dr.stonefly 2009/02/12 07:35 |
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dr.stonefly 2009/02/12 07:36 |
すぺーすのいど様 |
×第二迷信 URL 2009/02/12 23:39 |
dr.stoneflyさん |
愚樵 URL 2009/02/13 04:23 |
また【自生的秩序】で恐縮ですけど、実はそれこそが【自生的秩序】の要なんですよ。 |
愚樵 2009/02/13 04:44 |
愚樵さんへ |
すぺーすのいど URL 2009/02/13 23:27 |
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dr.stonefly 2009/02/14 08:42 |
×第二迷信さん、すいません。 |
すぺーすのいど 2009/02/14 23:00 |
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