毒多の戯れ言

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zoom RSS 「遥かむかしの光景」……僕たちは、何故彼を責めた

<<   作成日時 : 2008/05/18 09:13   >>

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ふと忘れていた遠い過去を思い出す。
何故だろう? わからないな。
季節かな、五月晴れの透きとおった青のせいかも、
青の向こうの向こうに離れていく光を追いかけた……
社会の底辺で青カンと走り続けていた若かったころの光景。

退屈という呪縛から解かれた僕たちはノッていた。
凡々と流れる時間を食いつぶすだけの日々からの脱出。
未知だった意識の壁を破り、知らない世界との出会い。
不思議な国の不可視の存在をまのあたりにする。
僕たちが無意識のまま踏みにじっていたドン底との出会い。
そこで僕たちは疑問をもつことができた。
疑問をもつことの喜びを感じた。
疑問のなかでじたばたする熱を感じた。
謎が一つづつ解けて、僕たちが変わっていくのを感じた。
僕たちは知っていく喜びに震えていた。
僕たちは、まちがいなくノッていた。
そこは近寄る者もまばらな世界。
誰も知らない世界は僕たちにさらなる優越感を与えた。

そんなとき彼が現れた。
階段を登った僕たちよりもずっと若く青かった。
でも彼は僕たちの世界を既に知っているように語った。
あたかも解っているように語った。
でもそれは間違っていたのさ。
僕たちは本質の見えない彼をすぐに見抜いた。
いや見抜く以前に彼はあまりに幼かった。
何を解ったようなことを言ってるの?
すると彼は開き直った。
ノッていた僕たちは彼を責めた。
彼は抵抗したが、その抵抗さえ幼かった。
僕たちはノッていた。
正論で責める心地よさに酔っていた。
いつしか彼は去った。

そんな僕たちを見つめていてA氏は言った。

彼は確かに幼かったな。
言ってる事もやってる事もこの世界ではマイナスだったかもしれない。
でも私は彼を認めているよ。
こんな世界に飛び込んできたんだから。
誰にも理解されないこんな世界にね。
家でノンビリとテレビでも見ながら暮らしていく選択肢もある。
でも彼はその選択をしなかった。
この不人気な辺鄙な世界を選択したんだ。
これはすごいこと。
喜ぶべきこと。

彼は去った。
理由は僕たちが責めたからじゃないかもしれない。
それでも、僕たちは考えた。
何故、彼を責めた。
誰が、彼を悪いと決めた。
何故、彼を認められなかった。
何故、彼と共に歩けなかった。
彼は、階段を昇るまえの僕たちじゃなかったのか?
いやそれだけじゃない。
彼は、僕たちにない何かを持っていたのではないか?
僕たちが失った何かを……

僕たちは一体どこを目指していたのか?
僕たち自身が世界を狭めてないか?
僕たち自身が世界を区切ってないか?
これが僕たちの目指した世界なのか?
僕たちは僕たちだけの世界を夢見ていたのか?

彼が去ったあと、僕たちは話し合っていた。
僕たちは静かに、話し合っていた。
僕たちが彼を責めた言葉は正論だったのか?
いったい正論ってなんだ?
僕たちは何を目指しているんだ?
ずっと話し合っていた。
彼が去ったあと……



すべては遠く過ぎ去った光景。



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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
今回は期待に応えて、意識して「詩」っぽく書いてみました。思い出した私自身の過去の一コマという以上の意味はワタシにはありません。
dr.stonefly
2008/05/18 09:14
焦りすぎなんですよ、みんな。
誰も彼も。

なんて、達観したふりをしてみる。
sutehun
URL
2008/05/18 10:17
焦りすぎなのかなぁ?
何か目標(ゴール)があって行き急いでいるようにも見えないし……。
もう、何がしたいのかよくわからないんじゃないのかなぁ?……
なんてコメントすると、きっと作詩に乗せて何か訴えてるみたいに見えちゃうんだろうね(爆)
dr.stonefly
2008/05/19 01:42
一緒に歩けない相手もいるんですよ。それは仕方がないと思う。

よく「目的を同じとするのになぜ一緒に活動できない?」と言われますが、そもそもの「目的が同じ」という前提が違うんだと思う。そりゃ究極的な目標は平和だったり自然保護だったりするけど、そうまとめられれも困るな。その前段階に掲げている目標が違うから。

「どうしても沖縄の乱開発を止めてこれ以上のサンゴへの被害を止めたい人(手段は問わず。かなりの無理を伴ってもやるべきことをやる)」と「脳内に存在する美しいサンゴ礁を僕なりに守っていきたい人(ただし手は汚したくないので穏便に、学生のサークル活動のように楽しく。傷つきたくないので現実はみない)」という2つは同じサンゴ保護が目標に見えても違うのです。一緒には戦えないよ。
さめ
URL
2008/05/19 14:07
英語に「I'm glad that our path has corrsed」(私たち2人の行く道が交差してよかった)という表現がありますが、そんな感じでしょうか。その人と出会って一時期活動したことはマイナスではない(いろんな経験したし、思考のきっかけも与えてくれた)、出会えて良かったと思う、でもこれ以上一緒に活動してはいけない、ということはあると思います
さめ
2008/05/19 14:11
こんにちは。あのね、ミソもクソも一緒にしたら、その若者が可哀想だと、僕は思うよ。ブログを開設して、好き放題、政治批判したり、ひとに「優しさ」を説いたりすることが、なんぼのものですか。誰だって出来るし、気が楽で、偉くなったような気分になれて、こりゃいい、うれしてタマらんわ。現に、有楽町や新橋のガード下の呑み屋に行ってごらんなさいな。そうゆういい気なオヤジが、たむろして、実に不愉快、酒が不味くなりますよ。「らんきーブログ」なんて、そんな床屋政談好き、説教好きのオヤジと同じでしょ。あなたが念っている、たとえソッコー、ケツを割ったとしたって、とにかくドヤの支援闘争に身を投じた若者とは、まるっきり次元が違う。
BLOG BLUES
2008/05/19 15:43
さめさん、こんにちは。
いろいろな風に取られるかな、と思いながらの作詩でしたが、現役のさめさんには言いたいことが多くあるでしょうね。
ちなみに、ワタシが現役でも「彼」とは一緒に歩めません。今、考えてもムリだ。でもね、ワタシには幼い「彼」を叩き潰したかもしれない、という反省はあります。やはり「彼」も変わるかもしれない。変わらないかもしれないが……。
「共感」とまでいかなくても「許容」ぐらいのことなできたかな? という追憶。でも、想い出じゃなくリアルだったら、今考えてもぶち切れるかな? うーん、自分との闘い。

>これ以上一緒に活動してはいけない、ということはあると思います

そうですね。本質以外のところで疲弊するのはつまりません。

ところで、左カラムのなんちゃって講演録のなかの「平良の(3)非暴力の…」という、自分で書いたエントリーの最後の段落を最近読み直してビックリしました。
dr.stonefly
2008/05/20 16:52
BLUESのアニキ、うっす!!
>ドヤの支援闘争
なんて書かれるとすごいとこを想像するけど、山谷争議団の金町一家戦とか、日雇全協なんかがやっている暴力飯場やケタオチ土建屋との未払賃金闘争とかとはだいぶ違います。ボクらがやっていたのは、深みに嵌まったとこでせいぜい、公園なんかの箱がけ立ち退き勧告現場の座り込みでポリコで揉み合うか、駅手配のチンピラに説教するか、シノギ(青カンを狙う辻強盗)を捕まえて吊るし上げるかぐらいで、たいしたことありません。しかも青カン支援の入り口は「教会の奉仕がする炊き出し」などもあり、わりにハードルが低いんです。エントリー中の「彼」もハードルの低い入り口の辺でした。
とはいっても「ブログ」始めるよりはハードルは高いかな?
dr.stonefly
2008/05/20 16:53
でもさ、オイラはずっと「敵」ばかりをつくってきたのね。これが相当トラウマになっていて、どんな「はねた」子でも簡単に切れやしない。個人にとってじゃない、運動にとってね。上でも書いたけど、人は変わる可能性を持っていると思うのさ。オイラもすっかり「非暴力主義」に転向したようにね(笑)。
次元っていう階段は昇るものだしさ。とは言っても流石にわざわざ教えには行きたくないけど。
dr.stonefly
2008/05/20 16:54
dr stoneflyさん。すごい。予言者みたい。
さめ
2008/05/22 11:44
ね、でしょ。
dr.stonefly
2008/05/22 13:18

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