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zoom RSS 「靖国神社」…昭和天皇メモ解釈のウソ!?

<<   作成日時 : 2006/08/14 15:46   >>

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 「文藝春秋」という雑誌を買った。いつも読んでいるわけではなく、芥川賞の受賞作品が載る号だけ買うのだが、この号は靖国神社や日中戦争、戦争犯罪、昭和天皇メモなんかの記事が掲載されていて、そちらの記事が気になり、まだ芥川賞作品までたどりつけない。まあ、アベのヨイショ記事を載せるような雑誌なので注意深く、疑い深く読んでいるのだが、そんななか「おっ?」と思わせる記事があったので記録して、読んでない方のために紹介しておく。「人声天語」という連載記事で坪内祐三という人が書いている 「昭和天皇の『発言』に私は失望した」という記事だ。(P476-P477)

「或る時に、A級戦犯が合祀された」、「私はあれ以来参拝していない、それが私の心だ」(昭和天皇のメモ)

 一般的に、昭和天皇はA級戦犯が合祀されたことが不快で参拝しなくなった、としているが、坪内氏は「違うのでは?」と考えている。
 A級戦犯が合祀されたのが昭和53年10月、合祀の報道が昭和54年4月19日で、確かに昭和天皇はそれから参拝していないのだが、「それ以前」も参拝していないのだ。では、いつが最後の参拝になるかというと昭和50年11月21日でA級戦犯合祀の4年もまえで、これでは「A級戦犯の合祀」が参拝をやめた理由としては整合性がない。
 では、昭和50年になにがあったかというと、三木首相が(遺族会の票欲しさに)「私人」として8月15日に靖国参拝をしている。「ニホンの首相が靖国に参拝した」ということで、「今後の靖国が『第二次大戦との関係のみ』において語られる」ことを予測した昭和天皇は、とっとと最後の参拝していおいて、靖国との関係に一程のけりをつけ、靖国経由で第二次対戦における自分の戦争責任が話題になることを避けようとしたのだ。つまり、昭和天皇は保身の為に「靖国神社=第二次大戦」と距離をおいたと言う。坪内はこの行為を「『人間』らしい行ないなのだろう」という。
 その後、A級戦犯の合祀を知った昭和天皇は、自己保身の心理からか、A級戦犯を切り捨てて自らの罪をも被せ、A級戦犯の合祀に不快感を示すことで自分を戦争被害者と自ら思い込み、その心理がこのメモのような発言をさせた、というわけだ。

 坪内はこう締めくくる。
 「A級戦犯と言われる彼らは、天皇の名のもとに、日本を戦争へ導き、あのような結果を招いてしまったのだ。そういう臣下たちを昭和天皇は突き離した。/このメモの出現を機に今こそ改めて昭和天皇の戦争責任が問われるべきだ」

 どうも昭和天皇が「A級戦犯合祀が不快で参拝しない」という一見「美談」にもとれるような記事が多いなか、ワタシにとっては一番しっくりとくる記事である。坪内氏は遠慮からか「人間らしい弱さ」と(ギャグかもしれないが)表現したが、本質はまるで子どもではないか。自己保身から周りの者に罪をなすり付け、嫌悪することで「ボクが悪いんじゃないモーン、だってあいつらが勝手にやったんだもん、ボクあいつら嫌いだし〜、ボク関係ないもーん」という態度。武士の風上にも置けない、おっと武士ではなく皇族だったけ、しかもワタシは武士道など糞喰らえと思っていたんだった…失言失言。

 確かに昭和天皇は、ひとりの「人間」として、如何ともし難い人生を歩んだかもしれない。生まれたが最後、有無を言わせず「制度」に巻き込まれて、また時代に巻き込まれた。しかも終戦の時の年令が44歳?でワタシと非常に近いのだ。まったくワタシが昭和天皇であったと想像すると絶望的気分である。いや、想像もつかない。はっきり言って「制度」と「時代」と「戦争」と「責任」を総括できるかどうか解らない。しかし、実際にその立場なら、やはり総括しなければならないのである。
 ある意味、天皇こそ戦争に利用されたのかも知れない。しかし利用される位置を否定せずに生き、実際に「天皇」の名のもとに戦争が行われたのだ。「天皇」の名のものに何十、何百万という人間が死んだのだ。朕は無関係だ、と言って、逃げることはできないだろ。また戦後も「戦争責任を明確にせず」のうのうと生きてきたのだ。「A級戦犯に罪をおしつけ逃げた」と言われても仕方ないではないか。

 また戦争に向かおうとしている今こそ、昭和天皇、いや「天皇制の戦争責任」、そして「靖国神社の存在」を総括しなければならないのではないか。


 ◆以下引用◆


<昭和天皇メモ>戦犯遺族にもさまざまな波紋

 昭和天皇の発言メモの存在が明らかになったことで、靖国神社に合祀(ごうし)されているA級戦犯の遺族らの気持ちが揺れている。合祀か分祀かの問題だけでなく、昭和天皇の立場を心配したり、名指しされた遺族を気遣う人も。積極的に持論を披露するケースのほか、東京裁判の是非に言及する声もあった。18年前に宮内庁長官が記録した言葉が、戦犯遺族の間にもさまざまな波紋を広げている。【竹中拓実、反田昌平、工藤哲】
 ■天皇発言に驚き
 「陛下は公平無私の存在。メモは公表されるべきものではなかった」。板垣征四郎・元陸軍大将の二男、板垣正さん(82)は、昭和天皇の立場をおもんぱかった。他の遺族の男性も「本当に信頼している人に漏らしたことだろう。公表は陛下の気持ちではないと思う」と語る。
 メモには「松岡、白取までもが」と松岡洋右元外相、白鳥敏夫元駐伊大使の名前が挙げられた。両家の遺族の一人は「正直驚いた。個人的に問題視されたのではなく、文官がまつられているのはおかしいとおっしゃったんだと思う。良い方向に考えないとやりきれない」とため息をつく。別の一人は「半世紀以上前のこと。何も申し上げることはない」とだけ答えた。
 ■積極的に持論を
 メモ発見を受けて分祀論が強まる中、東条英機元首相の孫の東条由布子さん(67)は、メディアなどで積極的に分祀反対理由を説明している。「祖父のことで、ご英霊の安らかな眠りを騒がせるのは申し訳なく思いますが、既に神になられた方々を現代の人間が、あの人は許すとか、あの人は間違いとか選別するのはおこがましいこと」と述べる。
 東郷茂徳元外相の孫で元外務省欧亜局長の東郷和彦さん(61)も今月、雑誌にインタビュー記事が相次いで掲載された。「日本全体の合意があれば従う」と分祀への考えを示している。
 ■東京裁判は
 「反論を認めず、一方的に断罪するなど、東京裁判に問題点はあると思う」。あるA級戦犯の孫で、会社勤めの男性はそう言いながらも「諸悪の根源とされると、遺族としては愉快ではないですが、それで丸く収まり、諸外国が納得してくれるならいいんです」と語る。
 男性は学生時代、東京裁判に関し友人と熱く論議することもあったが、職場ではA級戦犯の遺族と知らない同僚が多いという。「歴史の中にフェードアウトできたかもしれないのに、首相参拝、天皇発言メモなど、その度に祖父が歴史から引きずり出される。もう静かにさせて下さい」と切実な願いを口にした。
(毎日新聞) - 8月6日3時6分更新

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
 いまや文芸春秋を右翼雑誌だなんて認識そのものが、常識を疑う。冷戦時代の知識の残滓だ。おなじ出版社でも「諸君」と比較して、執筆陣が微妙にずれている事実を、どう考えているのだろうか。
罵愚
2006/08/15 17:44
罵愚さん、結構しつこいですね。ちょっとボーダーの疑いがあるので一応、心療内科の診察をお薦めします。管理者の強権をなるべく発動しないようにしています。これを最終警告としますので、これ以上のコメントやめていただくようお願い致します。
dr.stonefly
2006/08/16 06:24

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