毒多の戯れ言

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zoom RSS 「カニかご漁船、銃撃・死亡・拿捕」…線引きの位置が問題なんじゃない!

<<   作成日時 : 2006/08/22 13:21   >>

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「おい、地獄さ行ぐんだで!」
 無性に小林多喜二の「蟹工船」を読みたくなった。ところが買って置いてあったはずの本がない。前に読んだのが、随分前、……多分20年以上前のことなので、どこかに置き忘れたのかもしれない。本そのものどころか、読感も思索もどこかに置き忘れ、筋さえ忘れてしまった。で、なぜまた突然読みたくなったかといえば、北方の海で「蟹籠船」が銃撃され、ひとりの青年が亡くなり、3名の漁師が拿捕されたからだ。「蟹工船」では駆逐艦に守られてオホーツクに密猟にいき、ロシアに殺されることはなかったが、帝国ニホンの資本家に殺された。護衛のない無防備な「蟹籠船」はロシアに殺されたのだが、結局はニホンの資本主義に殺されたのではないか? ……なんて書くと、また超アクロバットとか言われるだろうなぁ。

 銃撃され殺された青年は、決死の覚悟で密猟にいったわけではないだろう。まさか自分が死ぬとは思っていなかったに違いない。自分でもまったく予想しないまま死んでしまったのではないか。大変気の毒に思う。しかし、ある程度「危険」を犯して密猟をするという認識はあったはずだ。その海域ではこれまでに何度も銃撃を浴びていたことを知らないわけはないだろう。なぜ危険をおかしてまで密猟をしなければならなかったか? やはり蟹が激減していて密猟しなければ獲れないからで、漁獲高があった昔とちがって生きてゆくために仕方なく危険を犯す必要があったのだろう。時代も変わっていた。漁獲高の激減と時期をあわせるように、ニホンは「格差社会」「地方切捨」「競争原理」「自己責任」を進めた。そんな政策の犠牲者のような気がする。 ……と、これもやっぱりアクロバットと言われるのだろうか?

 アクロバットか? そうか、では、一番言いたいことを言おう。ワタシの一番いいたいことは、「国家」間のつまらぬ「線引」のために人の命が奪われるという愚かさに対する怒りである。  ……キターー!!……、dr.stonefly特有の超ド級のアクロバット!!!!!! とバカにするならすればいいさ、でも、言いたい事は言う。

 麻生は出番はここぞとばかりに、口をひん曲げ「日本固有の領土である北方4島の領海12カイリ水域内で起きており、到底容認できない。厳重に抗議する」といい、テレビでは「みのもんた」が北千島(ウルップ島)と南千島(択捉島)の中間線を大きなアクションで叩きながら、ここが本来の国境でぇ!! と騒いでいた。ところが、線引きの位置を問題にするならば、ロシアにも言い分があり、ロシアの行為を正当化しかねない(現状ロシアの言い分に分があるかもしれない)。ワタシは「線引き」の問題ではなく、「国家」に人が殺された、ことを問題としたいのだ。
 たかが「線引き」で銃撃され人が殺されなければならない事が問題で、線引きの位置の問題などどうでもいいことなのだ!!「線引き」の位置が問題とするならば、ニホンもロシアと同じ過ちを犯す事になるだろう。つまり線を越えた隣国の船に対し発砲し、乗務員を殺しても正当化する、といった利害の鬼畜と化した行為だ。
 麻生が口をひんまげ抗議したのも、みのがオーバーアクションで騒いだのも、「国家の威信」「国家の利害」のためで、この青年の死への憤慨ではない、気がしてたまらない。「国家の威信」「国家の利害」「線引きの固守」の先にあるものは……

 ワタシは今回のロシアという「国家」の行動を許す事はできない。が、ニホンという「国家」もまた同じように考え行動するのであれば、絶対ゆるせない。

 この事件に関し、すでに多くのブロガーが語っており、そのいくつかを拝見した。あるブログのコメント欄に、「国境警備にて実力行使・実弾射撃は当たり前の事です。 日本がおとなし過ぎます。」とか「これが竹島なら、そく戦争ですね」とか書かれていた。どこまでも「領土」「利害」「威信」にこだわり、そのために「実力行使」があたりまえならば、それこそが本当の地獄だ!!  と言いたい。

ニホンは「おい、地獄さ行ぐんだで!」と叫び、こんどは戦争へと向かうのだろうか?



 



 ■以下引用■



生活かかる「危険海域」カニ激減…ぎりぎりの漁 漁船銃撃
 ロシア国境警備隊から銃撃を受け漁船が拿捕(だほ)され、1人の命が奪われた事件。拿捕された「第31吉進丸」の密漁だった疑いが浮上しているが、なぜそんな危険な海域に入ったのか。現場海域では近年、花咲ガニが激減、ロシア側ぎりぎりのラインまで船を進めることが珍しくなくなっていた。地元漁師の間には「そもそも北方領土は日本の領土」という思いが根強く残っていることも背景にありそうだ。(坂田万城)
「捕れないねえ。サンマとかサケもやっていかないと、カニだけじゃ厳しい」。高い値が付く花咲ガニが水揚げされる花咲港(根室市)で漁師がぼやく。
道の統計などによると、平成5、6年に400トンを超えていた根室半島周辺の花咲ガニの漁獲量は17年には80トン、5分の1に激減した。一時の乱獲の影響だが、カニ漁を生活の中心としていた漁師には深刻な打撃を与えている。
ところが、花咲港にはロシア漁船が水揚げした"輸入品"のカニも入ってくる。量は毎日、「日本船の数倍」(地元の卸業者)に上る。この卸業者は、「少しでもロシア側に入って多くの水揚げを狙うのは漁師心理として仕方ない。あちら側にはこんなにカニがいると、毎日見せつけられるんだから」と同情を寄せた。
一方で、こうした経済的な事情のほかに、漁師だけでなく一般の根室市民のなかにも根深い、北方領土に対する複雑な思いも関係しているようだ。
根室市の人口は約3万1300人。市の北方領土対策室によると、終戦まで北方領土に住み、その後同市に移住してきた人が約1800人いる。その2世、3世を含めると約7600人、市の人口の4分の1が北方領土を故郷に持つ人たちだ。
今回の拿捕事件で、対策室には「ビザなし渡航などの交流はもうやめた方がいい」などと、市民からの電話が数件あった。
吉進丸が所属する根室湾中部漁協の関係者(60)も、親の代まで国後島に住んでいた。「目と鼻の先にあって、晴れてればそこに島が見える。親は終戦まであっちで漁をしてたんだからね」と納得いかない様子。この関係者は今、漁業協力金などの名目で年間100万円以上をロシア側に支払っているという。
「北方領土への感情と法や協定は別の話」と冷静な漁師もいる。しかし、この漁師も麻生太郎外相が述べた「日本の領土で起きた事件」との言葉は、額面通りには受け取っていない。「これまでの北方領土に関する政府の無策、無関心がこの事件を発生させた」と言い切った。



丸腰の相手にやり過ぎだ 漁船銃撃

 北海道根室沖の北方領土・貝殻島付近で、根室のカニかご漁船がロシア国境警備庁の警備艇に銃撃され、乗組員1人が死亡した。漁船は拿捕(だほ)され、船長ら3人が国後島で取り調べを受けている。
 ロシア側は、漁船がロシア側海域で禁止されているカニ漁を行い、停船命令を無視して逃走したので警告発砲した、としている。仮に違法操業があったとしても、無防備の小型漁船に発砲し、乗組員の命を奪うのは明らかにやり過ぎだ。過剰警備と言わざるを得ない。
 麻生太郎外相は、ロシアの駐日臨時代理大使を呼んで厳重に抗議し、陳謝と責任者の処罰を求めた。政府としては当然の対応だ。遺体の返還と、拘束されている船長ら3人ができるだけ早く解放されることを望む。
 操業が本当に違法だったかどうか、まだはっきり分かっていない。ロシア側に納得いく説明を求めるとともに、船長らからも事情を聴き、早急に事実関係を明らかにしなければならない。それを踏まえ、再発防止に手を打つべきだ。
 貝殻島は、北方4島の中でも本土に近い歯舞諸島の1つだ。納沙布岬からは3.7キロと、目と鼻の先にある。周辺海域は、コンブやサンマの好漁場という。
 北方4島は日本固有の領土だが、ロシアが実効支配している。両国は1998年、海域の管轄権を棚上げし、漁船が安全に操業できるよう協定を結んだ。日本側は入漁料を支払う代わりに、特定の魚種を一定量捕獲できる約束だ。
 海上保安庁によると、旧ソ連とロシアの警備艇による日本漁船への銃撃は、50年以降、40件ある。このうち、北方領土周辺海域は25件。死者が出たのは、56年以来、2件目となる。
 ソ連崩壊後、ロシアとの協調関係が強まり、協定締結後は、銃撃事件は1件もなかった。しかし、近年は、根室半島周辺の沿岸漁業の不振から、漁業者が「越境」して操業するケースが増えていたという。ロシア側から「越境が相次いでいる」との指摘を受け、北海道は各漁協に文書で注意を呼び掛けていた。
 海上保安庁が外国船舶を銃撃したのは、2001年に鹿児島県奄美大島沖で停船命令に従わなかった北朝鮮の不審船を撃った1件しかない。これに比べると、ロシア側の銃器の使用基準はずっと緩やかだ。少なくとも丸腰の日本漁船に対する銃器使用は、強く自制を促したい。
 同時に、漁業者がルールを順守し、安全に操業できるよう、監督官庁の指導強化や、水産資源の実態に即した操業協定の見直しなども必要だろう。
 北海道だけの問題ではない。日中が領有権を主張する尖閣諸島や、韓国と領有問題で対立している竹島でも、暫定措置水域を設け、話し合いで操業条件を決めている。領土問題が複雑に絡む海域で、安全操業をどう確立するかは、私たちにとっても大きな課題だ。

=2006/08/18付 西日本新聞朝刊=


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内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
>「国家」間のつまらぬ「線引」のために人の命が奪われるという愚かさ
私もこの「線引」を愚かなことだと思いますが、けれど逆に言うと、この愚かな「線引」こそが「国家」なんですよね。この事件はそのことを如実に示しました。
世の中には至る所に「線引」があります。その代表は「所有権」でしょうか。土地の所有権なんて文字通り「線引」でわかりやすいですけど、この「線引」を保証するのは「国家」。そしてこの「線」にコチラとアチラで利害が衝突します。
この事件の本質の一端は利害の衝突です。日本とロシアで海洋資源の奪い合い。あの海域にカニがいなければ事件が起きることもありませんでした。そしてもう一端は、国同士の対立であるということ。日本人同士の争いなら、もしくはロシア人同士の争いなら、死人が出ることはなかったでしょうし、もしそういう事態になったとしても、殺人事件ということで犯人は処罰されることになるでしょう。けれど「国家」という「線引」を超えてしまうと殺人事件にはなりません。国家という大義の元、殺人は正当化されてしまいます。
本当に愚かな「線引」です。
愚樵
2006/08/22 20:28
愚樵さん、おはようございます。丁寧なフォローありがとうございます。>本当に愚かな「線引」です。という同意、感謝です。
「線引き」こそ「国家」であり、「線引き」を越えた人殺しは正当化される。……現実ですね。解っているけど否定したい。愚かな「線引き」=愚かな「国家」。そんな「国家」を否定したい。世間からそれが非現実で下らなくバカだと言われても先ず否定したい。
「国家」の否定など、あまりにも現実的ではなく幼稚なので、誰もが「国家」あるものとして思考するでしょう。じゃあ日本という「国家」がどうあるべきか?と……、ワタシも解っているんです。しかし、今回の事件をはじめ、日中韓や世界各国であまりにもナショナリズムが叫ばれ、現実に戦争はおき、おきなくとも一発触発という空気で満たされると、幼稚であろうが、バカであろうが、兎に角、言ってしまいたかったのです。
また、現実に戻って考えたいと思います。夢想を捨てずに……。
dr.stonefly
2006/08/23 09:28
本日の中日新聞に「蟹工船」が漫画化されたって記事が出ていて驚きました。どうやら活字離れしている大学生向けということのようですが。。私が昔々読んだ時は、確かに判り難い箇所もあったように記憶していますが、それでも何とか最後まで読んだんですが。

「領土問題」というと、実は日本国に関係する「領土問題=国家間線引き問題」は存在しないという真実をもっと広く知らせないといけないですね。日本政府があたかも「領土問題」があるように世論誘導を計っている(何らかの意図を持って!?)というのが本当の所でしょう。(釣魚台に関しては微妙ですが)こんな事を書くと、またコメントを書きに来る方々がいるかな・・
そまん
2007/02/08 19:46

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