毒多の戯れ言

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zoom RSS 「障害者」……徒然なるままに(3)

<<   作成日時 : 2006/08/16 18:43   >>

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 「学童キャンプ」から帰った次の日の明け方である。トイレに行こうと立ち上がった瞬間、ピシっ、バシっ、ギシっ、重心をかけた左足の足首から先にある細かな骨の半分が潰れた気がした。「痛!!」布団に倒れ込みながら痛みに耐えている。ふと医者の言葉を思い出した。昨年の秋、ちょっとした事故で左足首あたりの靭帯をのばしてしまい、2週間ほどギブスを巻いていた。
 ギプスを外すとき医者は言った
「もうスポーツはできませんよ」
「えっ、スポーツってジョギングとかもですか?」
「そうです、スポーツ店で足首のサポーターを買って、それをつけて生活しなさい」
「………」
 ところが、それから1週間ほどで医者の言葉を記憶のどこかにしまい込み、半年がたち普通に生活ができるようになると、医者の忠告を何処かにしまったことさえ忘れていた。走ったり、ソフトボールをしたり、森のなかを歩き回ったりと何もなかったように生活できたのだ。
 それから10ヶ月がすぎたこの夏、キャンプでの3日間はひたすら山や川を歩き回り、足首を前後左右と三次元に捻り虐め倒したのがまずかったのだろう。医者の言葉がゾンビのごとく甦ることになる。ほんと、タメイキ。

 という訳で昨年に引続き「松葉杖生活」を送っている。非常に不便であるが、負け惜しみを言えば、これがなかなか意味深く有意義な日々なのだ、クゥー(泣)。

 その朝、足を引きずって這うように病院へいった(叱責をおそれ今回は1年前と違う病院へ行った、ガハハハハハ)。受付で足の状況を説明するのだが、受付の言葉は「2階の整形のまえのロビーで待っててください」だった。1年前の病院もそうだったが、機械的に仕事をすすめる受付に腹をたて、歩けない惨めさを噛み締めながら「だから歩行困難だと言ってるだろぉ」と、心のなかで叫ぶ。でも、実際に声としてでたのは「歩けないんですが…」と控えめな言葉だった。病院にいけば痛みを解ってくれる、というのは甘かったのだが、なぜ控えめに言ったのだろう。医者の忠告を守らずドジを踏んだという気持ちもあるが、ホントは健常者である受付に、つい昨夜まで健常者だった自分の姿をみたからかもしれない。

 今回、松葉杖ではあるが、ほとんど普段と変わらなく動き回った。しかし松葉杖生活はとにかく辛いのだ。車の乗り降りから、階段、狭い駐車場、迷惑そうな通行人の目、すたすたと歩き席を案内するウエイトレス、バリアだらけの街、バリアだらけの通行人、バリアだらけの我家と、よいほうの右足の膝は痛くなるし、両手首は腱鞘炎になり痺れるし、さすがに気がめいってくる。たかが片足、たかが一週間でこの有様だ。こんなもの不自由で一生苦労して生活しなければならない障害者にくらべたら……。

 ワタシ自身あまり障害者との接点はないが、会えばそれなりに、その障害者の状況を想像して気を遣っているつもりだった。しかし、それがあまりにも上滑りな気持ちだったかもしれない、と松葉杖をつきながら思っている。
 人間というのは「経験」しないと解らないものなのかもしれない。思考したり、想像したりすることと経験することは違う。微妙な感覚や感情など経験しないとわからないこともあるのだ。
 多分、期間もみじかく程度も軽いささやかな経験であるが、この街やニンゲンは、どこまでも健常者的思考なんだな、と感じた。その健常者的思考が非常に辛いと感じたのだ。しかし、ほんの一週間、たかだか片足でのこと、たかが知れているのかもしれない。それでも、この苦労が「たかがしれてる」と考えただけでも意味のある松葉杖生活と言えると、自分に言い聞かそう。「経験」というのは、やはり「思考」を促すのだ。

 そこでワタシは提案する。
 全ての国会議員は、せめて国会開催中は、どちらか片方の足を縛り「松葉杖」で生活すること。どうせなら、黒塗りの車にも乗らずに、公共交通機関をつかうとよろしい。どれだけ辛く、大変な生活を強いられるかよく解るはずである。是非やってほしい。そうすれば、「障害者自立支援法」などという健常者的思考で市場主義的な法律など絶対につくれないはずだ。


 片足を縛り松葉杖で生活する、簡単なことだ。本当に一度、経験してみればいい。

 で、ワタシはというと軽度の苦労をしたおかげで、想像もつかないほど障害者の苦労を想像して、以前よりさらに障害者にたいし申し訳ない気持ちで満たされている。

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